僕は、Aクラスへと戻ってきた。
少し教室を見渡せば、理系科目を専攻してるクラスメイト達は戻ってきていることがわかった。
自分の席に座り、今日はこのまま自習室には寄らずに帰るのでHRが始まるまでに、机の中のノートや教科書をスクールバックへと入れていく。
ふとガラガラガラ、という扉の開く音がして先生が入ってきたことに気づく。
「全員戻ってきたか〜?HR始めるからちゃんと自分の席につけよ〜」
そう言うと、友達のいるところで話してたクラスメイト達がしっかり自分の席へと戻っていく。
帰りのHRが淡々と進んでいく。きっと職員会議あたりがあって急いでいるんだろう。
担任の先生は、半ば書き殴るように黒板へと連絡事項の重要な点を書いていき、「じゃ、そういうことだからお前らしっかり覚えとけよ!HRおしまい!」と言い日直の生徒の挨拶を待つことなく教室を出て行った。
前にも似たようなことを経験したことがあるクラスメイト達は、落ち着いて担任がいなくても号令をして教室内は放課後ムードに切り替わった。
皆それぞれ、「一緒に帰ろ〜!」だったり、「今日ここ寄ってこ」とか話している。
そんな中僕は、別クラの仙石がHRを終えてうちの教室に迎えにきてくれるのを待つ。
ぼーっとしながら数分くらい経ったところで「巴くんいます〜?」と教室の後ろ側から聞こえた。
「委員長呼ばれてるよ〜」
「ありがとうございます、今行きます」
クラスメイトの子に言われ、スクールバックを持ち席を離れ仙石の元へと行く。
「お待たせ〜りっくん」
「お疲れ様です仙石」
後ろの席や、後ろのロッカーの近くで屯していた生徒達は僕と仙石の会話に驚いているような気配を感じる。
そりゃそういう反応にもなるだろう。方や真面目優等生委員長、方やチャラい他クラス副委員長だ普通だったらない組み合わせだろう。
「ごめんね?担任の話長くってさ〜?」
「いえいえ、ここのクラスが速かっただけですよ。号令もせず飛び出してったので……」
「ってことは今日職員会議とかある感じ?それなのにあんな長話してたんだ」
「そうなりますね」
「ほーんと困っちゃう!じゃ、長話もなんだし勉強会会場行こ〜」
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「お?」
仙石と世間話をして、そろそろ学校を出ようとなったところで明真さんから声がかかる。
(明真さん?どうしたんだろうか?)
「りっくんと仲良くなったって噂の王子くんじゃん、俺たちに何か用?」
「あはは、君にも知られてるんだ?えっと、さっき仙石くんが勉強会って言ってたけど……良ければ俺もご一緒してもいいかな?」
(え???今なんて言った??一緒に勉強会????あれ、僕昨日の服洗濯して部屋に持ってきた後片付けてたっけ……?)
「王子くん俺たちと専攻違うけどいいの?それでも良ければ俺的には、王子くんとの親交を深められるいいチャンスだから願ったり叶ったりだけどぉ……」
「うん構わないよ、俺も仙石くんとは話してみたかったんだ」
「りっくん?おーいりっくん聞いてる?」
「あ、すみません……聞いてます。僕の家でやるんですけど、他人の家無理とかそういうの大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ。よかった〜断られたらどうしようかと思った」
「ふふ、よっぽどのことがない限り断りませんよ。ここで長話もなんですし移動しましょうか」
内心戸惑いながらも、そう言い教室から出て靴箱へと移動し、校門へと移動する。
「ねぇ〜りっくん。駅前のゴンチャ寄ってもいい〜?新作気になっててさ」
「いいですよ。明真さんもよろしいですか?」
「うん、いいよ。中々寄り道しないから楽しみ」
「あれ、王子くんは放課後より休日の方が誰かといるのが多いタイプ?」
「せっかく仲良くなるいい機会だし、仙石くんも明真って呼んで?ん〜、そうだね。放課後はみんな遠慮してるのか休日の方が多いかも」
「ほんと?じゃぁはるっちって呼んでもいい?あ、あと俺のことは碧維って呼んで、りっくんは中々呼んでくれないけど。うわ〜それ絶対牽制しあってるんだよ……怖ぁ」
「はるっち……初めて呼ばれるかも。わかった、碧維ね。えー?牽制?そうなのかなぁ」
二人の会話を聞きながら内心焦りつつ、駅へと足を進める。
(メイクポーチとかローテーブルに出しっぱで絶対しまってないよなぁ……本当にどうしよう)
その後も好きなものの話だったり、休日何してるかとか、なんでその専攻にしたのかとか当たり障りのない会話をした。
僕もたまに二人の会話に入りつつも、部屋の中が気がかりすぎてほとんど話を聞いてなかったと思う。
◇◇◇ ◇◇◇
「……!すごくもちもちしてる!」
「あはは、もしかしてはるっちタピオカ初?」
「うん、そうなんだ。女の子達が頼んでるのは見たことあるけど、こんなにもちもちしてるとは思わなかったな」
(すごい目がキラッキラ……昨日のぺしょぺしょわんこの幻覚とは打って変わって、好物を与えられてしっぽをブンブンはち切れそうな程振ってるわんこみたい……)
「りっくんが見た事ない表情してる!」
「え?そうですか……?」
「あ、戻っちゃった、でもレアなもの見れた〜!で、りっくんは何を見てそんなペットを見るような顔してたの?」
「俺も気になる、教えて欲しいな璃斗くん」
どうしたものか、初タピオカを楽しんでいる明真さんを見てつい表情が緩んでしまってたなんて言ってもいいのだろうか……?
昨日から明真さんがわんこにしか見えなくて困る。
仕方ない、仲良くなるためにも腹を括ろう……!!
「あの、えと……気を悪くしないでくださいね?その、明真さんが初タピオカで目をキラキラさせてるのを見て、好物を与えられて尻尾をブンブン振ってる犬の幻覚が見えまして……」
「……言われてみればはるっち犬に似てるかも。え、じゃぁはるっちを見て顔が緩んだんだ?」
「え……!俺で?!それに、犬に似てるなんて初めて言われたよ」
「はい、明真さんで……お恥ずかしながらつい表情が緩んでしまいました」
「碧維だったとか他の人だったとかは……」
「ないですね。それに仙石は犬ではなく蛇だなぁって思ってるので」
「え!俺蛇なの?!?!」
あぁ……恥ずかしい!!!掘り下げられるとは思わなかった。
それに、つい明真さんに聞かれて仙石のイメージも言ってしまった……
「あ、あの恥ずかしいのでもうこの話題やめません……?本当についそう見えてしまっただけで……」
「りっくんが照れてる!!!はるっちこれレアだよ!!俺でもほとんど見たことないよ〜!」
「そうなの?じゃぁ目に焼き付けとかないと」
そんなことを言う二人のことはスルーして、さっさと自分に家へと足をむける。
(さっきから”学校での自分”を保てない……少し落ち着かないと)
ゴンチャ片手にスタスタと歩いていると後ろから、「おいてかないでよりっくーん!」「揶揄ってごめん…!!碧維はまだしも、俺は璃斗くんの家行くの初めてだから迷っちゃうよ!」とか聞こえたので少しだけスピードを緩めてあげた。ほんとに少しだけ。
少し教室を見渡せば、理系科目を専攻してるクラスメイト達は戻ってきていることがわかった。
自分の席に座り、今日はこのまま自習室には寄らずに帰るのでHRが始まるまでに、机の中のノートや教科書をスクールバックへと入れていく。
ふとガラガラガラ、という扉の開く音がして先生が入ってきたことに気づく。
「全員戻ってきたか〜?HR始めるからちゃんと自分の席につけよ〜」
そう言うと、友達のいるところで話してたクラスメイト達がしっかり自分の席へと戻っていく。
帰りのHRが淡々と進んでいく。きっと職員会議あたりがあって急いでいるんだろう。
担任の先生は、半ば書き殴るように黒板へと連絡事項の重要な点を書いていき、「じゃ、そういうことだからお前らしっかり覚えとけよ!HRおしまい!」と言い日直の生徒の挨拶を待つことなく教室を出て行った。
前にも似たようなことを経験したことがあるクラスメイト達は、落ち着いて担任がいなくても号令をして教室内は放課後ムードに切り替わった。
皆それぞれ、「一緒に帰ろ〜!」だったり、「今日ここ寄ってこ」とか話している。
そんな中僕は、別クラの仙石がHRを終えてうちの教室に迎えにきてくれるのを待つ。
ぼーっとしながら数分くらい経ったところで「巴くんいます〜?」と教室の後ろ側から聞こえた。
「委員長呼ばれてるよ〜」
「ありがとうございます、今行きます」
クラスメイトの子に言われ、スクールバックを持ち席を離れ仙石の元へと行く。
「お待たせ〜りっくん」
「お疲れ様です仙石」
後ろの席や、後ろのロッカーの近くで屯していた生徒達は僕と仙石の会話に驚いているような気配を感じる。
そりゃそういう反応にもなるだろう。方や真面目優等生委員長、方やチャラい他クラス副委員長だ普通だったらない組み合わせだろう。
「ごめんね?担任の話長くってさ〜?」
「いえいえ、ここのクラスが速かっただけですよ。号令もせず飛び出してったので……」
「ってことは今日職員会議とかある感じ?それなのにあんな長話してたんだ」
「そうなりますね」
「ほーんと困っちゃう!じゃ、長話もなんだし勉強会会場行こ〜」
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「お?」
仙石と世間話をして、そろそろ学校を出ようとなったところで明真さんから声がかかる。
(明真さん?どうしたんだろうか?)
「りっくんと仲良くなったって噂の王子くんじゃん、俺たちに何か用?」
「あはは、君にも知られてるんだ?えっと、さっき仙石くんが勉強会って言ってたけど……良ければ俺もご一緒してもいいかな?」
(え???今なんて言った??一緒に勉強会????あれ、僕昨日の服洗濯して部屋に持ってきた後片付けてたっけ……?)
「王子くん俺たちと専攻違うけどいいの?それでも良ければ俺的には、王子くんとの親交を深められるいいチャンスだから願ったり叶ったりだけどぉ……」
「うん構わないよ、俺も仙石くんとは話してみたかったんだ」
「りっくん?おーいりっくん聞いてる?」
「あ、すみません……聞いてます。僕の家でやるんですけど、他人の家無理とかそういうの大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ。よかった〜断られたらどうしようかと思った」
「ふふ、よっぽどのことがない限り断りませんよ。ここで長話もなんですし移動しましょうか」
内心戸惑いながらも、そう言い教室から出て靴箱へと移動し、校門へと移動する。
「ねぇ〜りっくん。駅前のゴンチャ寄ってもいい〜?新作気になっててさ」
「いいですよ。明真さんもよろしいですか?」
「うん、いいよ。中々寄り道しないから楽しみ」
「あれ、王子くんは放課後より休日の方が誰かといるのが多いタイプ?」
「せっかく仲良くなるいい機会だし、仙石くんも明真って呼んで?ん〜、そうだね。放課後はみんな遠慮してるのか休日の方が多いかも」
「ほんと?じゃぁはるっちって呼んでもいい?あ、あと俺のことは碧維って呼んで、りっくんは中々呼んでくれないけど。うわ〜それ絶対牽制しあってるんだよ……怖ぁ」
「はるっち……初めて呼ばれるかも。わかった、碧維ね。えー?牽制?そうなのかなぁ」
二人の会話を聞きながら内心焦りつつ、駅へと足を進める。
(メイクポーチとかローテーブルに出しっぱで絶対しまってないよなぁ……本当にどうしよう)
その後も好きなものの話だったり、休日何してるかとか、なんでその専攻にしたのかとか当たり障りのない会話をした。
僕もたまに二人の会話に入りつつも、部屋の中が気がかりすぎてほとんど話を聞いてなかったと思う。
◇◇◇ ◇◇◇
「……!すごくもちもちしてる!」
「あはは、もしかしてはるっちタピオカ初?」
「うん、そうなんだ。女の子達が頼んでるのは見たことあるけど、こんなにもちもちしてるとは思わなかったな」
(すごい目がキラッキラ……昨日のぺしょぺしょわんこの幻覚とは打って変わって、好物を与えられてしっぽをブンブンはち切れそうな程振ってるわんこみたい……)
「りっくんが見た事ない表情してる!」
「え?そうですか……?」
「あ、戻っちゃった、でもレアなもの見れた〜!で、りっくんは何を見てそんなペットを見るような顔してたの?」
「俺も気になる、教えて欲しいな璃斗くん」
どうしたものか、初タピオカを楽しんでいる明真さんを見てつい表情が緩んでしまってたなんて言ってもいいのだろうか……?
昨日から明真さんがわんこにしか見えなくて困る。
仕方ない、仲良くなるためにも腹を括ろう……!!
「あの、えと……気を悪くしないでくださいね?その、明真さんが初タピオカで目をキラキラさせてるのを見て、好物を与えられて尻尾をブンブン振ってる犬の幻覚が見えまして……」
「……言われてみればはるっち犬に似てるかも。え、じゃぁはるっちを見て顔が緩んだんだ?」
「え……!俺で?!それに、犬に似てるなんて初めて言われたよ」
「はい、明真さんで……お恥ずかしながらつい表情が緩んでしまいました」
「碧維だったとか他の人だったとかは……」
「ないですね。それに仙石は犬ではなく蛇だなぁって思ってるので」
「え!俺蛇なの?!?!」
あぁ……恥ずかしい!!!掘り下げられるとは思わなかった。
それに、つい明真さんに聞かれて仙石のイメージも言ってしまった……
「あ、あの恥ずかしいのでもうこの話題やめません……?本当についそう見えてしまっただけで……」
「りっくんが照れてる!!!はるっちこれレアだよ!!俺でもほとんど見たことないよ〜!」
「そうなの?じゃぁ目に焼き付けとかないと」
そんなことを言う二人のことはスルーして、さっさと自分に家へと足をむける。
(さっきから”学校での自分”を保てない……少し落ち着かないと)
ゴンチャ片手にスタスタと歩いていると後ろから、「おいてかないでよりっくーん!」「揶揄ってごめん…!!碧維はまだしも、俺は璃斗くんの家行くの初めてだから迷っちゃうよ!」とか聞こえたので少しだけスピードを緩めてあげた。ほんとに少しだけ。
