テスト返却にソワソワしつつも、授業のための教科書とノート、下敷きそしてシャーペン、消しゴムを取り出す。
一コマ目は現代国語だ。文系科目は専攻にもしてる位には得意だし好きなものが多いので、割と自信がある。
ちなみに理系科目は嫌いや苦手とまでは行かないがそこそこ、と言った感じだ。
(100近く取れてますように……!!)
と、願っていると先生がテストを持って戻ってきた。
「よし、そろそろ時間だから席つけよ〜」
「は〜い」
「めんどくさ〜……」
先生の一声で今まで友達の席で喋ってた人は自分の席に戻り、席の前後で話してた人は前を向きそれぞれ準備をし始める。
うちのクラスは私立・国公立融合の文理混合クラスだ、なのでみんな文句を言いつつもメリハリがしっかりしててこのクラスでよかったと思う。
キーンコーンカーンコーン、と本鈴が鳴る。
「はーい授業始めるぞ〜、日直よろしく頼むぞ〜」
「起立……礼、よろしくお願いします!」
「お願いしま〜す」
「よろしくお願いします」
「おなしゃしやーす」
「そんじゃ、出席番号順に呼んでくから前に取り来いよ〜」
先生が出席番号1番の人から順番に呼んでいく、50音順の番号なのですぐに明真さんの番が回ってくる。
じーっと様子を見ていると少し、顔色が悪くなったのが分かった。
(どうしたんだろ……??)
不思議に思いつつも視線を教卓に戻す。
「次巴〜」
「はい」
(う〜……ドキドキする!)
テストを受け取り席へと戻る。
席に座り、手元の紙を意を決して見ると、98点と書かれていた。
90下回ってなくてよかった、にしても2点どこで落としたんだ……?
ホクホクとした気持ちで他の人がテストを受け取っていくのを目の端で見つつ、どこを間違えていたのか待ち時間で確認する。
(この回答CじゃなくてAだったのか……時間ちょっと足りなかったから確認怠ってたな)
少し時間が経ち、最後の人が教卓へとテストを受け取りに行く。
「よし、呼ばれてないやつ居ないなー?じゃ、授業始めるぞ〜」
「今日はテストの復習も兼ねて教科書23ページから見てくからな、もしここテストで間違えてたって奴はちゃんとノートに書いとくように」
「はーい」
「ういー」
復習も兼ねてくれるなんて!すごくありがたい。
こうして、一コマ目の現代国語が始まった。
◇◇◇ ◇◇◇
キーンコーンカーンコーン、と四コマ目の授業の終わりを告げる合図が鳴る。
二・三・四コマ目はそれぞれ公共、数学II、そして論理・表現IIだ。
どれも90を超えていたが数学IIだけは本当にギリギリ90で危なかった……
(そういえば、明真さん数学辺りから顔色悪かったけどどうしたんだろう……?)
「わかってるとは思うが、休み時間の5分前くらいには戻ってこいよ〜?」
「はーい」
「ういー」
「わかりました〜」
クラスメイトたちがゾロゾロと購買に行く人や、他の教室の友人と食べる人たちが移動し始める。
今日は、特に一緒に食べる約束をしてる人も居ないので教室でのんびり食べようかと思っていると、突然机に影がさす。
「ねぇ璃斗くん」
「え……?明真さん、どうしましたか?」
「璃斗くんが良ければ一緒にお昼どうかな?」
(???お昼……?僕たち今日まで話したことなかったのに……)
「お昼、ですか……よく一緒に行動してるお友達は良いのですか?」
「うん、今日は璃斗くんと食べたいからってトークのグループの皆に報告してあるんだ」
「そうですか、つまらなくても良ければ一緒に食べましょうか」
どうしましょう、昨日のお兄さんこと明真さんと一緒にお昼を食べることに……
後からお友達の方に何か言われないと良いのですが……って学校にいる間はネガティブになりがちで僕らしくない。
「俺の席の方おいでよ、隣の奴には許可もらってるから安心して」
「ご丁寧にありがとうございます」
「え〜!王子と委員長珍しい組み合わせだね〜!」
「実は朝たまたま二人きりで話してて。そこから委員長が気になってね」
「そうなんだ〜!二人とも成績上位者だからライバル的な感じで話さないのかな〜って思ってたや」
そう言ってその生徒はその場を「またね〜」と言いながら離れてった。嵐のような人だったな。
(すごい至れり尽くせり……)
にしても、クラスメイトにすらそう思われてただなんて。
ただ会話をする機会が無かっただけで、特にライバルだとかそう言うのは無かったんだけど……あんま接点なかったし、そう思われるのも仕方がないのかな。
「急にごめんね?お昼なんて誘っちゃって」
「あ、いえ……でも本当に良かったんですか?僕なんかと二人で」
「うん、璃斗くんだから誘った」
「そうですか……」
僕だから……か、この人は昨日から勘違いさせるような事ばかり言ってくる。
(こっちが勝手にそう思ってるだけで向こうにその気はないのにね?)
とかなんとか思いながらお隣の席に失礼し、お弁当を広げる。
今日は好きな甘めの卵焼きと、ほうれん草のおひたし、占いグラタン、ハッシュドポテトが入っている。
自分で全部作るのもいいけど、美味しい上に楽ができる冷凍食品って最強だよね〜?
「璃斗くんはお弁当親御さんが?」
「いえ、半分自分で半分冷凍です。卵焼きとかおひたしとかは自分で作りました」
「え!自分で?!そっか〜料理できる男子か〜……頭も良いのに料理もできるってモテちゃうね?」
「ありがたい事に何度かお話はいただきましたが……って、僕のことはいいんです。そういう明真さんはどうなんです?」
「お弁当だったら一番上の姉がついでに作ってくれて、モテるかどうかはほぼ毎日のように呼び出されるかな〜」
お姉さんがいらっしゃるんですね……末っ子感あるな〜とは思ったけどなるほど。
ほぼ毎日呼び出される……?モテるのも大変なんだな〜。
内心うむうむ、としながらお弁当を食べる。
やっぱ甘い卵焼きしか勝たん……!!!とか思ってると、隣から顔を覗き込まれている事に気づく。
「明真さん……?」
「あぁ、ごめんね?璃斗くんって従兄弟とか兄弟っている?」
「歳の離れた兄と従兄弟は…いるにはいます。なんですか?急に」
「そっかー。いやさ、高校の最寄駅からちょっとした所に色々お店とかあって人がいっぱいいる通りあるじゃん?そこで璃斗くんに雰囲気が似てる人をナンパ?しちゃって」
そう言いながら目の前の整った顔をした男はヘラりと笑う。
まさか向こうからこの話を持ち込まれるとは……でも、僕だって事には気付いてないみたいで安心。
「ナンパ、ですか。そんなに可愛らしい方だったんですか?一目惚れ……とか?」
と、ニヤリとした笑みを浮かべて相手を見て、思わず揶揄うような感じで踏み込んでしまった。
あれ?なんか既視感ある顔してる。
「あ……。」
「あ……?」
「あ、いや……委員長もそんな顔で笑ったり、揶揄ったりするんだなって。ちょっとびっくりしちゃった、あはは……」
「いえ僕のほうこそすみません、思わず踏み込んでしまいました……」
明真の目はウロウロと泳いでいて全然目が合わない。
お互い、昼休みの終わりを告げる5分前の予鈴が鳴るまで言葉を交わすことは無かった。
(委員長呼びにもどちゃったな。一気に踏み込み過ぎちゃったかな……)
なんてらしくもなく一人心の中で反省会をした。
努めていつもの自分で、委員長の自分で居ようと自分の席へ戻り次の授業の準備をしつつ、気持ちのスイッチを切り替えた。
一コマ目は現代国語だ。文系科目は専攻にもしてる位には得意だし好きなものが多いので、割と自信がある。
ちなみに理系科目は嫌いや苦手とまでは行かないがそこそこ、と言った感じだ。
(100近く取れてますように……!!)
と、願っていると先生がテストを持って戻ってきた。
「よし、そろそろ時間だから席つけよ〜」
「は〜い」
「めんどくさ〜……」
先生の一声で今まで友達の席で喋ってた人は自分の席に戻り、席の前後で話してた人は前を向きそれぞれ準備をし始める。
うちのクラスは私立・国公立融合の文理混合クラスだ、なのでみんな文句を言いつつもメリハリがしっかりしててこのクラスでよかったと思う。
キーンコーンカーンコーン、と本鈴が鳴る。
「はーい授業始めるぞ〜、日直よろしく頼むぞ〜」
「起立……礼、よろしくお願いします!」
「お願いしま〜す」
「よろしくお願いします」
「おなしゃしやーす」
「そんじゃ、出席番号順に呼んでくから前に取り来いよ〜」
先生が出席番号1番の人から順番に呼んでいく、50音順の番号なのですぐに明真さんの番が回ってくる。
じーっと様子を見ていると少し、顔色が悪くなったのが分かった。
(どうしたんだろ……??)
不思議に思いつつも視線を教卓に戻す。
「次巴〜」
「はい」
(う〜……ドキドキする!)
テストを受け取り席へと戻る。
席に座り、手元の紙を意を決して見ると、98点と書かれていた。
90下回ってなくてよかった、にしても2点どこで落としたんだ……?
ホクホクとした気持ちで他の人がテストを受け取っていくのを目の端で見つつ、どこを間違えていたのか待ち時間で確認する。
(この回答CじゃなくてAだったのか……時間ちょっと足りなかったから確認怠ってたな)
少し時間が経ち、最後の人が教卓へとテストを受け取りに行く。
「よし、呼ばれてないやつ居ないなー?じゃ、授業始めるぞ〜」
「今日はテストの復習も兼ねて教科書23ページから見てくからな、もしここテストで間違えてたって奴はちゃんとノートに書いとくように」
「はーい」
「ういー」
復習も兼ねてくれるなんて!すごくありがたい。
こうして、一コマ目の現代国語が始まった。
◇◇◇ ◇◇◇
キーンコーンカーンコーン、と四コマ目の授業の終わりを告げる合図が鳴る。
二・三・四コマ目はそれぞれ公共、数学II、そして論理・表現IIだ。
どれも90を超えていたが数学IIだけは本当にギリギリ90で危なかった……
(そういえば、明真さん数学辺りから顔色悪かったけどどうしたんだろう……?)
「わかってるとは思うが、休み時間の5分前くらいには戻ってこいよ〜?」
「はーい」
「ういー」
「わかりました〜」
クラスメイトたちがゾロゾロと購買に行く人や、他の教室の友人と食べる人たちが移動し始める。
今日は、特に一緒に食べる約束をしてる人も居ないので教室でのんびり食べようかと思っていると、突然机に影がさす。
「ねぇ璃斗くん」
「え……?明真さん、どうしましたか?」
「璃斗くんが良ければ一緒にお昼どうかな?」
(???お昼……?僕たち今日まで話したことなかったのに……)
「お昼、ですか……よく一緒に行動してるお友達は良いのですか?」
「うん、今日は璃斗くんと食べたいからってトークのグループの皆に報告してあるんだ」
「そうですか、つまらなくても良ければ一緒に食べましょうか」
どうしましょう、昨日のお兄さんこと明真さんと一緒にお昼を食べることに……
後からお友達の方に何か言われないと良いのですが……って学校にいる間はネガティブになりがちで僕らしくない。
「俺の席の方おいでよ、隣の奴には許可もらってるから安心して」
「ご丁寧にありがとうございます」
「え〜!王子と委員長珍しい組み合わせだね〜!」
「実は朝たまたま二人きりで話してて。そこから委員長が気になってね」
「そうなんだ〜!二人とも成績上位者だからライバル的な感じで話さないのかな〜って思ってたや」
そう言ってその生徒はその場を「またね〜」と言いながら離れてった。嵐のような人だったな。
(すごい至れり尽くせり……)
にしても、クラスメイトにすらそう思われてただなんて。
ただ会話をする機会が無かっただけで、特にライバルだとかそう言うのは無かったんだけど……あんま接点なかったし、そう思われるのも仕方がないのかな。
「急にごめんね?お昼なんて誘っちゃって」
「あ、いえ……でも本当に良かったんですか?僕なんかと二人で」
「うん、璃斗くんだから誘った」
「そうですか……」
僕だから……か、この人は昨日から勘違いさせるような事ばかり言ってくる。
(こっちが勝手にそう思ってるだけで向こうにその気はないのにね?)
とかなんとか思いながらお隣の席に失礼し、お弁当を広げる。
今日は好きな甘めの卵焼きと、ほうれん草のおひたし、占いグラタン、ハッシュドポテトが入っている。
自分で全部作るのもいいけど、美味しい上に楽ができる冷凍食品って最強だよね〜?
「璃斗くんはお弁当親御さんが?」
「いえ、半分自分で半分冷凍です。卵焼きとかおひたしとかは自分で作りました」
「え!自分で?!そっか〜料理できる男子か〜……頭も良いのに料理もできるってモテちゃうね?」
「ありがたい事に何度かお話はいただきましたが……って、僕のことはいいんです。そういう明真さんはどうなんです?」
「お弁当だったら一番上の姉がついでに作ってくれて、モテるかどうかはほぼ毎日のように呼び出されるかな〜」
お姉さんがいらっしゃるんですね……末っ子感あるな〜とは思ったけどなるほど。
ほぼ毎日呼び出される……?モテるのも大変なんだな〜。
内心うむうむ、としながらお弁当を食べる。
やっぱ甘い卵焼きしか勝たん……!!!とか思ってると、隣から顔を覗き込まれている事に気づく。
「明真さん……?」
「あぁ、ごめんね?璃斗くんって従兄弟とか兄弟っている?」
「歳の離れた兄と従兄弟は…いるにはいます。なんですか?急に」
「そっかー。いやさ、高校の最寄駅からちょっとした所に色々お店とかあって人がいっぱいいる通りあるじゃん?そこで璃斗くんに雰囲気が似てる人をナンパ?しちゃって」
そう言いながら目の前の整った顔をした男はヘラりと笑う。
まさか向こうからこの話を持ち込まれるとは……でも、僕だって事には気付いてないみたいで安心。
「ナンパ、ですか。そんなに可愛らしい方だったんですか?一目惚れ……とか?」
と、ニヤリとした笑みを浮かべて相手を見て、思わず揶揄うような感じで踏み込んでしまった。
あれ?なんか既視感ある顔してる。
「あ……。」
「あ……?」
「あ、いや……委員長もそんな顔で笑ったり、揶揄ったりするんだなって。ちょっとびっくりしちゃった、あはは……」
「いえ僕のほうこそすみません、思わず踏み込んでしまいました……」
明真の目はウロウロと泳いでいて全然目が合わない。
お互い、昼休みの終わりを告げる5分前の予鈴が鳴るまで言葉を交わすことは無かった。
(委員長呼びにもどちゃったな。一気に踏み込み過ぎちゃったかな……)
なんてらしくもなく一人心の中で反省会をした。
努めていつもの自分で、委員長の自分で居ようと自分の席へ戻り次の授業の準備をしつつ、気持ちのスイッチを切り替えた。
