あの後、沢山抱きしめ合ったり、キスしたりした。
兄から止められているので、ディープになるようなのはやめた。それに男の子だしね。
はるに全体重を預けながらくつろいでると、両親の帰宅を告げる扉の開閉音が聞こえた。
「はる、母さんたち帰ってきたみたい」
「それは挨拶しなきゃだね、リビング行く?」
「うん、ちょっと怖いけど……」
「俺も正直認めてもらえるか心配だな」
「怖いから、手握ってて欲しい……ダメかな」
「ううん、いいよ俺もその方が安心する」
二人して緊張しつつ、下へと続く階段を降りていく。
リビングに入ると兄だけがいた。
「あれ?瑠夏兄だけ?」
「母さん達なら着替えに行ったよ。ふふ、無事に結ばれたようで何よりだよ」
「そっか。うん……すごく幸せ」
「それならよかった」
両親とはるが出会うことに緊張しすぎて、いつもならもっと話す兄との会話もあまり続かない。
兄もわかっていて話しかけているから、ずるいと思う。
「あら揃ってるじゃない!ただいま私のかわい子ちゃんたち」
そう言いこの空気を破ったのは__
「おかえり、母さん」
「おかえり〜、お疲れ様」
「お邪魔しております」
「あらあらいらっしゃい。あなた、璃斗ちゃんがお友達を連れてるわぁ」
そう、僕と瑠夏兄を産み、育てた母だ。
母の声が聞こえてからはるがピシり、と固まってちょっと面白かった。
「おや、そうみたいだね。いらっしゃい」
「父さん、母さん。彼が昨日話した新しくできた、って言った友達の明真だよ」
「初めまして、息子さんと仲良くさせていただいてます天羽明真といいます。本日は突然お邪魔してしまい申し訳ないです」
「初めまして、明真さん。璃斗ちゃんから話は伺ってるわぁ。それにお泊まりは気にしないでちょうだい、突然の大雨だったんですもの」
「初めまして、明真くん。聞いてた通りのいい子だね」
ひとまずの挨拶はなんとか終わったようだ。
食後に切り出すべきなのだろうか……?なにぶん初めての恋人なせいで勝手がよくわからない。
「とりあえず、積もる話もあるだろうけど夕飯にしよっか」
「そうねぇ、立ち話もなんだしご飯食べましょ」
「僕よそってくるね」
「あぁ、頼んだよ璃斗」
兄の鶴の一声で、一旦夕飯を食べることになった。
元々兄がリビングにいたので鍋を温めてくれていたのであろう、蓋を開けると湯気がほかほかと出ている。
はるが手伝おうとしたのか、母に「お客さんだからいいのよ」と座ることを勧められてた。
その様子を見て少し、ふふってなってしまったのは内緒だ。
◇◇◇ ◇◇◇
夕飯を食べている間、食卓では学校での僕をはるに聞いたり、はるのことを聞いたりと盛り上がっていた。
いつ切り出そうか迷いつつ、お腹いっぱい食べた後の食後のデザートを持ってきて、みんなで食べている時に母から、「話したいことがあるんじゃないの?女の感よ」、と話を振られた。
振ってくれてすごくありがたい。
「実は、ご報告というかお許しいただきたいことがあって……」
「言ってみなさい」
「さっきは友達って言ったけど、僕と明真お付き合いすることになったんです」
「まだ璃斗くんと話すようになってほんの数日ですが、一目惚れで知れば知るほど彼のことがどんどん好きになっていったんです。世間的にはよく思われないかも知れませんが、覚悟はできています。息子さんのことは必ず大事にします。交際を認めていただけないでしょうか」
こんな大事な時なのに、思わずかっこいいなって惚れ直してしまう。
母は「あらあら」って感じで多分認めてくれるだろう……問題は父だ、すごく眉間に皺が寄っている。
ちなみに、兄は全て知ってるからかニコニコ見守ってる。
「私は大歓迎よ。あんなに大事にしてくれる人じゃないとやだ〜って言ってた璃斗ちゃんが選んだ人ですもの。ほら、あなたも答えてあげなさいな」
「……君の覚悟と気持ちはわかった。璃斗お前はどうなんだい?」
「はる、明真のことはすごく大切に思ってます。本当の僕を知っても離れないでいてくれて、むしろ好いてくれたんです。僕も彼を知れば知るほど惹かれて、彼のことを支えてあげたいなって思ったんです。物心着く頃から僕は同性愛者の自覚があったので世間からどうみられるかはすごく知っています……怖いけど、彼となら一緒に乗り越えていけると思うんです」
変に取り繕わず、思ったことをそのまま言葉にする。
ちゃんと僕が僕の意思で選び、どんな困難も一緒に乗り越えたいと思ったことを伝える。
そこまで伝えると、父の表情が緩んだ。
「認めよう。そこまでしっかり考えているのならもう何もいうまい。ただ、しっかり段階を踏むように私からは以上だ」
「あらぁ、もう素直じゃないんだから。二人ともおめでとう、幸せになりなさい」
「はぁ〜よかった、大丈夫とは思ってたけどお兄ちゃんも安心♪」
はると二人で向き合って瞬きをパチリパチリ__として顔を見合う。
認めるって言ってくれてた……!!!
「やったねはる!」
「うん、よかった……」
「あらあら、仲がいいのはいいことだわぁ♪」
嬉しさのあまり、両親がいる前なのに抱きしめあってしまった。
はるなんてちょっと目がうるうるしている。
しっかり両親に伝えてよかった……僕とはるは今日という日を忘れることはないだろう。
◇◇◇ ◇◇◇
デザートを食べてゆっくりした後、それぞれお風呂に入ったり明日の準備をしたり、家事をしたりとで解散となった。
僕とはるはと言うと、「せっかく付き合ったばかりなんだからゆっくりしなさい」と、母の計らいでお馴染みになりつつある僕の部屋へと戻ってきた。
「はる、よかったね」
「うん……滅多に泣かないのに、うるってきちゃった」
「はるが泣きそうになってるの見て、僕もうるうるしちゃった」
「幸せだね」
「はい……」
僕たちはまた抱きしめあっている。
正直離れたくないってのもある。
「そろそろ、碧維にも報告する?」
「しましょうか、時間的にも家に帰ってるかと」
「ふふ、まだ敬語抜けないね?」
「もう癖になってるんだと思います……」
ベッドを背もたれに座るはるに、「おいで」と、足の間をポンポンとしながら言われたので大人しく移動する。
はるの温もりを感じながら、あおとの個人チャットに、「今時間大丈夫?」と、メッセージを入れる。
「とりあえず連絡入れたので、あとは返信を待つだけです」
「ありがとう。すぅ……」
「ちょ、ちょっとどこ嗅いで……!」
「ふふ、ボディーソープとスクラブの甘くて、いい匂いがする」
すんすん、と首筋の匂いを嗅がれる。
嗅がれるのは恥ずかしいし、そこで喋られるとくすぐったいからやめてほしい。
「恥ずかしい……」
「猫吸いならぬ、璃斗吸いだよ」
「うぅ……」
虚無りつつ、ひたすらはるに吸われているとピコン、と通知オンが鳴る。
スマホを開くと、あおから「大丈夫!どったの〜?」と返信が入っていた。
それに対して、
「ビデオ通話したいんだけどかけていい?」
と、入れる。
そうすると、
「いいよ〜かもん!」
と、秒で帰ってきた。
「あお通話できるみたいです」
「うんわかった」
「通話中は吸うのやめてくださいね」
「通話中じゃなければいいんだ?」
そんなはるの言葉はスルーし、あおへとつビデオ通話を掛ける。
前回と同じく、2コールくらいで出た。
『やほやほ〜、ってあれぇ?!はるっちがいる!!!!』
「バイトお疲れ」
「碧維お疲れ様」
『ありがとう!……じゃなくて、え???』
開始早々あおがびっくりしすぎて音割れを起こしてて、こちらもびっくりだ。
一度深呼吸をしてから__
「あおに報告したいことあって」
『おぉ??なんだ、だいぶ想像つくんだけど!え、あってる???』
「ふふ、実ははると付き合うことになりました〜」
「いぇーい」
『わ〜!!おめでたい〜〜!ちなご両親はなんと……』
「ちゃんと認めてもらったよ。母さんは大歓迎だったけど、父さんはなんか不服そうだった」
『そりゃ可愛がってた息子が突然恋人連れてきました!ってなったらそうなるでしょ』
あおは自分のことかのように、すごく祝福してくれた。
お泊まりが決まってその流れで打ち明けた、という話もしたら予想通り「お泊まりずるい!!!」と言ってた。
兄から止められているので、ディープになるようなのはやめた。それに男の子だしね。
はるに全体重を預けながらくつろいでると、両親の帰宅を告げる扉の開閉音が聞こえた。
「はる、母さんたち帰ってきたみたい」
「それは挨拶しなきゃだね、リビング行く?」
「うん、ちょっと怖いけど……」
「俺も正直認めてもらえるか心配だな」
「怖いから、手握ってて欲しい……ダメかな」
「ううん、いいよ俺もその方が安心する」
二人して緊張しつつ、下へと続く階段を降りていく。
リビングに入ると兄だけがいた。
「あれ?瑠夏兄だけ?」
「母さん達なら着替えに行ったよ。ふふ、無事に結ばれたようで何よりだよ」
「そっか。うん……すごく幸せ」
「それならよかった」
両親とはるが出会うことに緊張しすぎて、いつもならもっと話す兄との会話もあまり続かない。
兄もわかっていて話しかけているから、ずるいと思う。
「あら揃ってるじゃない!ただいま私のかわい子ちゃんたち」
そう言いこの空気を破ったのは__
「おかえり、母さん」
「おかえり〜、お疲れ様」
「お邪魔しております」
「あらあらいらっしゃい。あなた、璃斗ちゃんがお友達を連れてるわぁ」
そう、僕と瑠夏兄を産み、育てた母だ。
母の声が聞こえてからはるがピシり、と固まってちょっと面白かった。
「おや、そうみたいだね。いらっしゃい」
「父さん、母さん。彼が昨日話した新しくできた、って言った友達の明真だよ」
「初めまして、息子さんと仲良くさせていただいてます天羽明真といいます。本日は突然お邪魔してしまい申し訳ないです」
「初めまして、明真さん。璃斗ちゃんから話は伺ってるわぁ。それにお泊まりは気にしないでちょうだい、突然の大雨だったんですもの」
「初めまして、明真くん。聞いてた通りのいい子だね」
ひとまずの挨拶はなんとか終わったようだ。
食後に切り出すべきなのだろうか……?なにぶん初めての恋人なせいで勝手がよくわからない。
「とりあえず、積もる話もあるだろうけど夕飯にしよっか」
「そうねぇ、立ち話もなんだしご飯食べましょ」
「僕よそってくるね」
「あぁ、頼んだよ璃斗」
兄の鶴の一声で、一旦夕飯を食べることになった。
元々兄がリビングにいたので鍋を温めてくれていたのであろう、蓋を開けると湯気がほかほかと出ている。
はるが手伝おうとしたのか、母に「お客さんだからいいのよ」と座ることを勧められてた。
その様子を見て少し、ふふってなってしまったのは内緒だ。
◇◇◇ ◇◇◇
夕飯を食べている間、食卓では学校での僕をはるに聞いたり、はるのことを聞いたりと盛り上がっていた。
いつ切り出そうか迷いつつ、お腹いっぱい食べた後の食後のデザートを持ってきて、みんなで食べている時に母から、「話したいことがあるんじゃないの?女の感よ」、と話を振られた。
振ってくれてすごくありがたい。
「実は、ご報告というかお許しいただきたいことがあって……」
「言ってみなさい」
「さっきは友達って言ったけど、僕と明真お付き合いすることになったんです」
「まだ璃斗くんと話すようになってほんの数日ですが、一目惚れで知れば知るほど彼のことがどんどん好きになっていったんです。世間的にはよく思われないかも知れませんが、覚悟はできています。息子さんのことは必ず大事にします。交際を認めていただけないでしょうか」
こんな大事な時なのに、思わずかっこいいなって惚れ直してしまう。
母は「あらあら」って感じで多分認めてくれるだろう……問題は父だ、すごく眉間に皺が寄っている。
ちなみに、兄は全て知ってるからかニコニコ見守ってる。
「私は大歓迎よ。あんなに大事にしてくれる人じゃないとやだ〜って言ってた璃斗ちゃんが選んだ人ですもの。ほら、あなたも答えてあげなさいな」
「……君の覚悟と気持ちはわかった。璃斗お前はどうなんだい?」
「はる、明真のことはすごく大切に思ってます。本当の僕を知っても離れないでいてくれて、むしろ好いてくれたんです。僕も彼を知れば知るほど惹かれて、彼のことを支えてあげたいなって思ったんです。物心着く頃から僕は同性愛者の自覚があったので世間からどうみられるかはすごく知っています……怖いけど、彼となら一緒に乗り越えていけると思うんです」
変に取り繕わず、思ったことをそのまま言葉にする。
ちゃんと僕が僕の意思で選び、どんな困難も一緒に乗り越えたいと思ったことを伝える。
そこまで伝えると、父の表情が緩んだ。
「認めよう。そこまでしっかり考えているのならもう何もいうまい。ただ、しっかり段階を踏むように私からは以上だ」
「あらぁ、もう素直じゃないんだから。二人ともおめでとう、幸せになりなさい」
「はぁ〜よかった、大丈夫とは思ってたけどお兄ちゃんも安心♪」
はると二人で向き合って瞬きをパチリパチリ__として顔を見合う。
認めるって言ってくれてた……!!!
「やったねはる!」
「うん、よかった……」
「あらあら、仲がいいのはいいことだわぁ♪」
嬉しさのあまり、両親がいる前なのに抱きしめあってしまった。
はるなんてちょっと目がうるうるしている。
しっかり両親に伝えてよかった……僕とはるは今日という日を忘れることはないだろう。
◇◇◇ ◇◇◇
デザートを食べてゆっくりした後、それぞれお風呂に入ったり明日の準備をしたり、家事をしたりとで解散となった。
僕とはるはと言うと、「せっかく付き合ったばかりなんだからゆっくりしなさい」と、母の計らいでお馴染みになりつつある僕の部屋へと戻ってきた。
「はる、よかったね」
「うん……滅多に泣かないのに、うるってきちゃった」
「はるが泣きそうになってるの見て、僕もうるうるしちゃった」
「幸せだね」
「はい……」
僕たちはまた抱きしめあっている。
正直離れたくないってのもある。
「そろそろ、碧維にも報告する?」
「しましょうか、時間的にも家に帰ってるかと」
「ふふ、まだ敬語抜けないね?」
「もう癖になってるんだと思います……」
ベッドを背もたれに座るはるに、「おいで」と、足の間をポンポンとしながら言われたので大人しく移動する。
はるの温もりを感じながら、あおとの個人チャットに、「今時間大丈夫?」と、メッセージを入れる。
「とりあえず連絡入れたので、あとは返信を待つだけです」
「ありがとう。すぅ……」
「ちょ、ちょっとどこ嗅いで……!」
「ふふ、ボディーソープとスクラブの甘くて、いい匂いがする」
すんすん、と首筋の匂いを嗅がれる。
嗅がれるのは恥ずかしいし、そこで喋られるとくすぐったいからやめてほしい。
「恥ずかしい……」
「猫吸いならぬ、璃斗吸いだよ」
「うぅ……」
虚無りつつ、ひたすらはるに吸われているとピコン、と通知オンが鳴る。
スマホを開くと、あおから「大丈夫!どったの〜?」と返信が入っていた。
それに対して、
「ビデオ通話したいんだけどかけていい?」
と、入れる。
そうすると、
「いいよ〜かもん!」
と、秒で帰ってきた。
「あお通話できるみたいです」
「うんわかった」
「通話中は吸うのやめてくださいね」
「通話中じゃなければいいんだ?」
そんなはるの言葉はスルーし、あおへとつビデオ通話を掛ける。
前回と同じく、2コールくらいで出た。
『やほやほ〜、ってあれぇ?!はるっちがいる!!!!』
「バイトお疲れ」
「碧維お疲れ様」
『ありがとう!……じゃなくて、え???』
開始早々あおがびっくりしすぎて音割れを起こしてて、こちらもびっくりだ。
一度深呼吸をしてから__
「あおに報告したいことあって」
『おぉ??なんだ、だいぶ想像つくんだけど!え、あってる???』
「ふふ、実ははると付き合うことになりました〜」
「いぇーい」
『わ〜!!おめでたい〜〜!ちなご両親はなんと……』
「ちゃんと認めてもらったよ。母さんは大歓迎だったけど、父さんはなんか不服そうだった」
『そりゃ可愛がってた息子が突然恋人連れてきました!ってなったらそうなるでしょ』
あおは自分のことかのように、すごく祝福してくれた。
お泊まりが決まってその流れで打ち明けた、という話もしたら予想通り「お泊まりずるい!!!」と言ってた。
