とりあえず、兄へと連絡をするためにスマホを取り出しトークアプリを開く。
兄へ「友達と帰りに大雨に降られちゃったんだけど迎えに来てほしい、今は駅近くの商業施設の喫茶店にいるよ。昨日話した友達もいるけどいい?」と連絡を入れる。
「兄に連絡入れました、はるが居ることも伝えときました」
「ありがとう、なんか流れ的にご一緒させてもらうことになっちゃったけど大丈夫?」
「大丈夫ですよ、はるは知らない相手でもないですし……それに」
「それに?」
「はるの家それなりに離れてるじゃないですか、良ければ泊まって行きませんか……?」
あぁ、言ってしまった。でも、せっかく突然現れたチャンス、無にしたくない。
どう返してくるだろうか?はるのお家の人は厳しい方なのかな……
「えっと、俺たち仲良くなって三日目だけど……」
「僕的には、三日目と思えない距離の縮まり方だと思ってるんですが」
あおの言うとおり、本当に脈アリな気がする。それどころか薄々気づいてるんじゃないだろうか。
(もし、お泊まりが可能なら全て明かしてみようかな、なんて思うのはずるいかな……)
ドキドキしながらはるの返答を待つ。
「璃斗がいいならお邪魔しようかな……聞きたいこともあったし」
「ふふ、もちろんです。聞きたいことですか……どうせ二人きりですし、一応なんでもお答えしますよ」
「言ったね?色々聞くから」
「望むところです、あとは兄次第なんですが……あ」
兄の返事を待つだけ、と言うところでちょうど兄から返信が来ていた。
「いつ連絡来るかなって待ってたよ。わかったそこまで行くね、明真くんだっけ?全然いいよ。」
「あ、下着だけはサイズあるかわからないから買ってきて欲しいかも。泊めるんでしょ?」
我が兄ながら理解が早くて助かる。
「兄から返信返ってきました、車も泊まりもいいとのことです!あ、ただ下着だけはサイズあるかわかんないから買ってきて、と言われました。」
「ほんと?お兄さんには感謝だね。じゃぁ適当に服屋さんよろっか、璃斗が嬉しそうで俺も嬉しいよ」
「はい!正直結構嬉しいです、あおともお泊まりはしたことなかったので……幼少期のお泊まり保育とかそう言うの以来かもです」
「そっか、成長してからの初めてのお泊まりが俺で嬉しいな」
はるからしたら特に深い意味合いは無いのだろうに、なんでこんなにも胸が高鳴るのだろうか?
客室があるとはいえ、好きな人と一つ屋根の下……あぁ胸が苦しくて死んでしまいそう。
「と、とりあえず兄が来るまでに買い物済ませちゃいましょ?」
「うんそうだね、遂に璃斗のお兄さんだけでなくご両親にまで……」
はるも、どことなくそわそわしていて、待てをされてる犬みたいで可愛いかも。
一番の心配は兄が、僕の気持ちに気づいてはるに対してどう出るかだ。
(何も無いといいんだけれど……)
◇◇◇ ◇◇◇
流石に人の下着を買ってるところ着いてくのも、ってのと好きな人がどんなの買ってるとか恥ずかしくてお店の前のベンチで待ってた。
少し、ドキドキしながら待ってるとはるが戻ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。待ってる間、変な人に話しかけられなかった?」
「何言ってるんですか、こんなガリ勉みたいな僕に話しかける人なんていませんよ」
「いつもの璃斗は?」
「え……いつも、ですか?えっと……」
これ、本当にバレてるのでは??どうしましょう。
「あはは、そんなに焦らないでよ。でも璃斗のお家で色々聞くからね」
「は、はい……」
どうやら確信しているようです……なんでも答えるなんて言わなければよかったな、と思わないでもない。
でも、僕の中でも話そう。という気持ちはあったのでいいのか……?
エスカレーターで、一階へと戻り入口へと戻ってきた。
ちょっと前の会話のせいで僕の思考回路はまともに機能していない、その上気まずさもあって一緒にいるのに無言で戻ってきた。
ピコンッ、と軽い音が鳴った。
自分のスマホを開いてみると、
「お待たせ、買い物は無事に終わった?」
と、連絡が入ってた。
「着いたみたいです、外行きましょうか。あの……」
「ん?なーに?」
「兄の前なので、素に戻るんですけど……引かないでくださいね?」
「あはは、そんなの今更でしょ。俺たち一度会ってるんだから、ね?」
うっ……やっぱりか。もう猫被りはできないみたいだ。そもそも兄と会わせる時点で厳しいか……
入り口から出て、屋根の下から辺りを見渡せば左側の少し離れたところに路上駐車していた白いアウディの窓が開く。
「はーい璃斗の愛しのお兄ちゃんが迎えにきたよ〜♡」
「えっと……あの、僕の兄です……」
「話は璃斗から聞いてるよ、瑠璃の瑠に夏で瑠夏です。よろしくね?明真くん」
「天羽明真です、本日はお邪魔させていただきます」
「うんうん、話には聞いてたけどいい子でお兄ちゃん安心。ほら、また濡れちゃうから車入りな」
自己紹介と挨拶を済ませ、兄に促され車へと乗り込む。
ちなみに助手席は道路側で危ないので、はると一緒に後部座席へと乗る。
僕たちがシートベルトをするのをミラーで確認すると、ゆっくりと発車する。
「にしても、帰る途中って災難だったねぇ。あおくんは一緒じゃなかったの?」
「本当に……あおは途中で『バイトがある〜』、って言ってバ先向かった」
「そっかそっか、ってあれ仙石呼びじゃ無いし敬語もやめたんだ」
「目ざといな……泊めるなら隠したって意味ないでしょ。それに、あおに色々話した結果はるなら素を見せてみよっかな〜って」
「なるほどねぇ……ま、二人でよく話したらいいと思うよ。お兄ちゃんは璃斗が幸せならいいよ」
兄にも全てバレていそうだ……僕が隠すの下手なのか……???
でも、兄を説得する暇が省けてよかったと思う。
「瑠夏兄……今度しっかり話させてね」
「ふふ、もちろん。あ、もうお風呂沸いてるから着いたらすぐに入っちゃいなね」
僕のことさえ絡まなければ流石兄、としか言いようがない。
着いたらすぐって、もしかして二人で入るの……??瑠夏兄的にそれいいの?
「風邪ひくと良く無いから二人まとめて、ね。でも、変な気は起こさないことだよ、僕なんとしてでも引き剥がすからね」
なんて、黒い笑みで言う。
「肝に銘じておきますね……」
「ふふ、話がわかる子でえらいえらい。もう少しで着くよ」
いつの間にか家近くの住宅街に入っていたようだ。
最寄り駅周辺から家まで徒歩で数十分なら、車だともう少し短くなるからそりゃ早いか。
「今更だけど、寝巻きどうすんの?」
「璃斗の寝巻き貸したら?あんま身長差なさそうだし、寝巻きなら体格差とかそこまで関係ないでしょ」
「僕可愛いのしか持ってない……はる寒かもだけど先に寝巻き探そ?」
「え、あ。それは別にいいけど、借りていいの……?」
「いーの、あと瑠夏兄の服着てるはるはなんかヤ」
兄の服着るくらいなら僕の着てほしい。まだ気持ちはしっかり伝えてないけど、彼パジャマってやつ?あとは、単純に僕の好みを着た好きな人を見てみたかっただけ。ちょっとした独占欲だ。
「いいな〜、僕も璃斗にそう言うこと言われたい」
「瑠夏兄はおそろの服と寝巻きあるしいいでしょ」
兄弟が好きな人に対抗しようとするのはやめてほしい。
そもそも土俵が違うんだから……兄は兄で好きではあるけど言ってやらない。
「はーい、お疲れ様。お家に着いたよ」
「運転お疲れ、仕事中だったのにありがと」
「俺からも、ありがとうございました」
「ふふ、いーのいーの。子供は大人に甘えなさい」
車から降り、家の鍵を開け兄が先に入り、その次に僕、そして「お邪魔します」、とはるが入った。
兄へ「友達と帰りに大雨に降られちゃったんだけど迎えに来てほしい、今は駅近くの商業施設の喫茶店にいるよ。昨日話した友達もいるけどいい?」と連絡を入れる。
「兄に連絡入れました、はるが居ることも伝えときました」
「ありがとう、なんか流れ的にご一緒させてもらうことになっちゃったけど大丈夫?」
「大丈夫ですよ、はるは知らない相手でもないですし……それに」
「それに?」
「はるの家それなりに離れてるじゃないですか、良ければ泊まって行きませんか……?」
あぁ、言ってしまった。でも、せっかく突然現れたチャンス、無にしたくない。
どう返してくるだろうか?はるのお家の人は厳しい方なのかな……
「えっと、俺たち仲良くなって三日目だけど……」
「僕的には、三日目と思えない距離の縮まり方だと思ってるんですが」
あおの言うとおり、本当に脈アリな気がする。それどころか薄々気づいてるんじゃないだろうか。
(もし、お泊まりが可能なら全て明かしてみようかな、なんて思うのはずるいかな……)
ドキドキしながらはるの返答を待つ。
「璃斗がいいならお邪魔しようかな……聞きたいこともあったし」
「ふふ、もちろんです。聞きたいことですか……どうせ二人きりですし、一応なんでもお答えしますよ」
「言ったね?色々聞くから」
「望むところです、あとは兄次第なんですが……あ」
兄の返事を待つだけ、と言うところでちょうど兄から返信が来ていた。
「いつ連絡来るかなって待ってたよ。わかったそこまで行くね、明真くんだっけ?全然いいよ。」
「あ、下着だけはサイズあるかわからないから買ってきて欲しいかも。泊めるんでしょ?」
我が兄ながら理解が早くて助かる。
「兄から返信返ってきました、車も泊まりもいいとのことです!あ、ただ下着だけはサイズあるかわかんないから買ってきて、と言われました。」
「ほんと?お兄さんには感謝だね。じゃぁ適当に服屋さんよろっか、璃斗が嬉しそうで俺も嬉しいよ」
「はい!正直結構嬉しいです、あおともお泊まりはしたことなかったので……幼少期のお泊まり保育とかそう言うの以来かもです」
「そっか、成長してからの初めてのお泊まりが俺で嬉しいな」
はるからしたら特に深い意味合いは無いのだろうに、なんでこんなにも胸が高鳴るのだろうか?
客室があるとはいえ、好きな人と一つ屋根の下……あぁ胸が苦しくて死んでしまいそう。
「と、とりあえず兄が来るまでに買い物済ませちゃいましょ?」
「うんそうだね、遂に璃斗のお兄さんだけでなくご両親にまで……」
はるも、どことなくそわそわしていて、待てをされてる犬みたいで可愛いかも。
一番の心配は兄が、僕の気持ちに気づいてはるに対してどう出るかだ。
(何も無いといいんだけれど……)
◇◇◇ ◇◇◇
流石に人の下着を買ってるところ着いてくのも、ってのと好きな人がどんなの買ってるとか恥ずかしくてお店の前のベンチで待ってた。
少し、ドキドキしながら待ってるとはるが戻ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。待ってる間、変な人に話しかけられなかった?」
「何言ってるんですか、こんなガリ勉みたいな僕に話しかける人なんていませんよ」
「いつもの璃斗は?」
「え……いつも、ですか?えっと……」
これ、本当にバレてるのでは??どうしましょう。
「あはは、そんなに焦らないでよ。でも璃斗のお家で色々聞くからね」
「は、はい……」
どうやら確信しているようです……なんでも答えるなんて言わなければよかったな、と思わないでもない。
でも、僕の中でも話そう。という気持ちはあったのでいいのか……?
エスカレーターで、一階へと戻り入口へと戻ってきた。
ちょっと前の会話のせいで僕の思考回路はまともに機能していない、その上気まずさもあって一緒にいるのに無言で戻ってきた。
ピコンッ、と軽い音が鳴った。
自分のスマホを開いてみると、
「お待たせ、買い物は無事に終わった?」
と、連絡が入ってた。
「着いたみたいです、外行きましょうか。あの……」
「ん?なーに?」
「兄の前なので、素に戻るんですけど……引かないでくださいね?」
「あはは、そんなの今更でしょ。俺たち一度会ってるんだから、ね?」
うっ……やっぱりか。もう猫被りはできないみたいだ。そもそも兄と会わせる時点で厳しいか……
入り口から出て、屋根の下から辺りを見渡せば左側の少し離れたところに路上駐車していた白いアウディの窓が開く。
「はーい璃斗の愛しのお兄ちゃんが迎えにきたよ〜♡」
「えっと……あの、僕の兄です……」
「話は璃斗から聞いてるよ、瑠璃の瑠に夏で瑠夏です。よろしくね?明真くん」
「天羽明真です、本日はお邪魔させていただきます」
「うんうん、話には聞いてたけどいい子でお兄ちゃん安心。ほら、また濡れちゃうから車入りな」
自己紹介と挨拶を済ませ、兄に促され車へと乗り込む。
ちなみに助手席は道路側で危ないので、はると一緒に後部座席へと乗る。
僕たちがシートベルトをするのをミラーで確認すると、ゆっくりと発車する。
「にしても、帰る途中って災難だったねぇ。あおくんは一緒じゃなかったの?」
「本当に……あおは途中で『バイトがある〜』、って言ってバ先向かった」
「そっかそっか、ってあれ仙石呼びじゃ無いし敬語もやめたんだ」
「目ざといな……泊めるなら隠したって意味ないでしょ。それに、あおに色々話した結果はるなら素を見せてみよっかな〜って」
「なるほどねぇ……ま、二人でよく話したらいいと思うよ。お兄ちゃんは璃斗が幸せならいいよ」
兄にも全てバレていそうだ……僕が隠すの下手なのか……???
でも、兄を説得する暇が省けてよかったと思う。
「瑠夏兄……今度しっかり話させてね」
「ふふ、もちろん。あ、もうお風呂沸いてるから着いたらすぐに入っちゃいなね」
僕のことさえ絡まなければ流石兄、としか言いようがない。
着いたらすぐって、もしかして二人で入るの……??瑠夏兄的にそれいいの?
「風邪ひくと良く無いから二人まとめて、ね。でも、変な気は起こさないことだよ、僕なんとしてでも引き剥がすからね」
なんて、黒い笑みで言う。
「肝に銘じておきますね……」
「ふふ、話がわかる子でえらいえらい。もう少しで着くよ」
いつの間にか家近くの住宅街に入っていたようだ。
最寄り駅周辺から家まで徒歩で数十分なら、車だともう少し短くなるからそりゃ早いか。
「今更だけど、寝巻きどうすんの?」
「璃斗の寝巻き貸したら?あんま身長差なさそうだし、寝巻きなら体格差とかそこまで関係ないでしょ」
「僕可愛いのしか持ってない……はる寒かもだけど先に寝巻き探そ?」
「え、あ。それは別にいいけど、借りていいの……?」
「いーの、あと瑠夏兄の服着てるはるはなんかヤ」
兄の服着るくらいなら僕の着てほしい。まだ気持ちはしっかり伝えてないけど、彼パジャマってやつ?あとは、単純に僕の好みを着た好きな人を見てみたかっただけ。ちょっとした独占欲だ。
「いいな〜、僕も璃斗にそう言うこと言われたい」
「瑠夏兄はおそろの服と寝巻きあるしいいでしょ」
兄弟が好きな人に対抗しようとするのはやめてほしい。
そもそも土俵が違うんだから……兄は兄で好きではあるけど言ってやらない。
「はーい、お疲れ様。お家に着いたよ」
「運転お疲れ、仕事中だったのにありがと」
「俺からも、ありがとうございました」
「ふふ、いーのいーの。子供は大人に甘えなさい」
車から降り、家の鍵を開け兄が先に入り、その次に僕、そして「お邪魔します」、とはるが入った。
