「_……先程の説明の通り、心陽さんは……」
「そんなっ……、先生、!小陽は何処も悪くないって……」
「………検査結果に誤りはありません。残念ですが…」
「…………」
白く清潔な診察室。私のカルテと検査結果の書かれたたくさんの書類の数々。周りの看護師も、顔を背けて目閉じている。唇を噛んでいる人もいた。
…ああ、私死ぬんだな。三年後に。
もうすぐ高校の入学式なのに。卒業できるかも分からない。だんだんと症状は進行していく。治療法はない。現状経過を待ち、鎮静剤を最悪投与。髪が抜けるのも想定する。
そんな医師の申し訳なさそうで気まずいような声からこぼれ落ちる言葉は、簡単に見えてそうでもなかった。頭の中は特に何も感じなかったが、あとから思ったけれど、あの時はかなり冷静だったんじゃないかと自分でも思う。
「進行形喪胃癇症」
私の身体に起こっている病気の名前。変にかっこいいような歪なような名前。病名を見てその病気のレベルが分かるとか言うけれど、案外間違っていないのかもしれない。名前の通り、回復や治療法は見つかっておらず、余命を言い渡される事がほとんどである。

