龍と悪女の運命の契り

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玄関を出ると、見知らぬ車の前に、見知らぬ男が二人立っていた。

一人は恐らく秘書。

そしてもう一人はーー。

「来たか」

男はそう言うと、くるりと後ろに振り向き、まるでエメラルドのような瞳で、私の瞳を捉えた。

整った顔。この世のものとは思えない程美しい、白銀の髪。色白な肌に、細くて綺麗な指。真っ白な衣。

この男が、今日から私の夫になる方ーー。

見た目はとても良いけど、大事なのは中身よね。

私は丁寧にゆっくりとお辞儀をした。

「お初にお目にかかります。京極藍子と申します。今日から、よろしくお願い致します」

それだけ言って顔を上げると、玲一様は驚いたような顔をしていた。

私、何か間違った事を言ったかしら?

私が口を開こうとすると、玲一様はハッと我に返った。

「あ、すまない。悪女と噂されていたから、契約結婚を勝手に決めた俺に対して、文句を言ってくると思っていたから、てっきり」

……ああ、そういうこと。

やはりよく思われていないのね。

「……ところで、玲一様はなぜ私と契約結婚をなされたのですか?」

「それは車の中で話す。あと、俺のことは玲一と呼び捨てで呼んでもらって、構わない。敬語も使わなくていいよ」

「良いのですか?」

「ああ。夫婦って感じがしないしな」

…別に本物の夫婦ではないのに。

不思議な人と思いつつ、私は彼の車に乗り、振り向きもせず、京極家を後にした。