***
コンコン。
「入れ」
「失礼します」
私は静かに応接室の襖を開けた。
京極家の本館は和風の屋敷になっていて、四つある別館は洋館になっている。
今私がいるのは、本館の応接室。
…お父様の部屋じゃなくて、応接室なのね。
そういえば、お父様の部屋には、私が愛莉を治せなかった時以来、入れてもらった事はないわね。
どれだけ私の事が気に食わないのかしら。
私は、お父様とは反対側のソファに腰掛けた。
「それで、何の用?」
「藍子。お前の嫁入りが決まった」
「………は?」
よめいり………嫁入り?何を言ってるの、この人は?
「相手は、龍園玲一様。龍園家のご長男で、次期当主でもあらせられるお方だ」
龍園…玲一?どうして私が、妖の頂点に嫁がなくてはいけないの?
「…結婚する理由を聞いても良いかしら?」
「契約をしたからだ」
「契約……?」
「…話は以上だ」
「な……ちょっと待ちなさいよ!私に何の相談もせずに勝手に契約して勝手に結婚を決めたと言うの⁉︎ねえ、何とか言ったらどうなーー」
バタンッ。
お父様は私の言葉には少しも耳を傾けず、乱暴に扉を閉めて出ていった。
結婚?それも、お母様と同じ、契約結婚?
私はギリッと歯軋りをした。
認めない……こんな結婚、私は絶対に認めない!
情報も何もない上に、知らない男とずっと一緒に暮らせですって?バカも休み休み言いなさいよ…!
ドンッと壁を拳で叩く。
怒りの言葉を頭の中で並べているうちに、フッとある事を思い出した。
愛莉は?
入院費は、お父様が一銭も払おうとしなかったから、私が今まで払っていた。
でも嫁いでしまったらーー。
…もういいわ。
こうなったら、力ずくでも入院費を払わせて、愛莉を絶対に健康な体に戻してやるわ……!
コンコン。
「入れ」
「失礼します」
私は静かに応接室の襖を開けた。
京極家の本館は和風の屋敷になっていて、四つある別館は洋館になっている。
今私がいるのは、本館の応接室。
…お父様の部屋じゃなくて、応接室なのね。
そういえば、お父様の部屋には、私が愛莉を治せなかった時以来、入れてもらった事はないわね。
どれだけ私の事が気に食わないのかしら。
私は、お父様とは反対側のソファに腰掛けた。
「それで、何の用?」
「藍子。お前の嫁入りが決まった」
「………は?」
よめいり………嫁入り?何を言ってるの、この人は?
「相手は、龍園玲一様。龍園家のご長男で、次期当主でもあらせられるお方だ」
龍園…玲一?どうして私が、妖の頂点に嫁がなくてはいけないの?
「…結婚する理由を聞いても良いかしら?」
「契約をしたからだ」
「契約……?」
「…話は以上だ」
「な……ちょっと待ちなさいよ!私に何の相談もせずに勝手に契約して勝手に結婚を決めたと言うの⁉︎ねえ、何とか言ったらどうなーー」
バタンッ。
お父様は私の言葉には少しも耳を傾けず、乱暴に扉を閉めて出ていった。
結婚?それも、お母様と同じ、契約結婚?
私はギリッと歯軋りをした。
認めない……こんな結婚、私は絶対に認めない!
情報も何もない上に、知らない男とずっと一緒に暮らせですって?バカも休み休み言いなさいよ…!
ドンッと壁を拳で叩く。
怒りの言葉を頭の中で並べているうちに、フッとある事を思い出した。
愛莉は?
入院費は、お父様が一銭も払おうとしなかったから、私が今まで払っていた。
でも嫁いでしまったらーー。
…もういいわ。
こうなったら、力ずくでも入院費を払わせて、愛莉を絶対に健康な体に戻してやるわ……!

