龍と悪女の運命の契り

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私は京極藍子。

日本一の財閥、京極家の嫡子として生まれた。

また、私は数世紀ぶりの、異能者でもある。

私が天から授けれられた力は、治癒の力。

自分で自分の病を治す事ができるため、風邪をひいて学校や色々な行事などを休んだ事はなく、みんなの病もすぐに治す事ができた。

そのため、みんなが私を救世主だとか言って崇めた。

当たり前よね。だって、私は京極家の嫡子であり、治癒の力が備わった異能者よ?

そんな中、二歳下の愛莉が生まれ、私は幸せの絶頂にいた。

なのに——。

愛莉は、とても心が優しく、まるで空をひらひらと舞う蝶のような、可愛らしい少女だった。

そんな愛莉は友達も多く、私とは別の意味で、天使と言われ、崇められていた。

私はそこに嫉妬や嫌悪感はなく、むしろ喜ばしかった。

だって、懐いてくれている自分の妹が、みんなから好かれて可愛がられてるなんて、嬉しいと思わない?

そんなある日、愛莉が病で寝込んだ。

これまでも、愛莉が寝込む事は何回かあった。

だから、いつも通り治せば良い。

そう、思っていた。

だけど、これでもかと思うほど、治癒の力を使っても、なぜか愛莉に回復の気配が無い。

これが不幸の始まりだったかは知らないけど、確実に幸せの歯車が狂い始めたのは、この時。

その日は運が悪く、私が治癒の力を使うところを見てみたいという人々のために、特別に、アイドル達がライブをやっていそうな、1番大きいドームのステージ上で行っていた。

体調が悪い愛莉を、遠いドームまで連れて行くのは少し反対だったけれど、どうせすぐ治ると思い、たかをくくっていた。

私は焦った。

およそ五万人いる中、半分はざわつき、もう半分は、嘘つき、などと文句を言い始めた。

そんな事は初めてだった。

その後、また何度か挑戦してまたものの、愛莉の体調が元に戻る事はなかった。

だけど、愛莉以外の人間は、なぜか完治する事ができた。

そうこうしている内に、私がわざと愛莉の病気を治していない、愛莉は人気者だから意地悪をしている、救世主なんかじゃ無い、ただの悪女だ、などという噂が広まり始めた。

確かに、私は昔から気が強く、侍女達には常に有無を言わせない態度で接し、プライドや自己肯定感がとにかく高い。

それから、驚くほど私の周りには人が集まらなくなり、家は前よりも少し過ごしづらくなった。

愛莉は、それからずっと入院している。

私の性格は、この時からねじまがり、昔よりもっと、性悪な女——本物の悪女となった。