龍と悪女の運命の契り

***

「愛莉!」

私は愛莉の病室にノックもせずに入り込んだ。

その後に、玲一と玲斗も続く。

「愛莉!」

私が愛莉に触れようとした瞬間、腕を掴まれ、後ろに引き戻された。

「⁉︎何するの、離して玲一!」

「ダメだ!」

玲一の声に思わず怯む。

「な…どうして!」

「今愛莉の体の周りについている呪いの気配が凄まじい…強すぎる!」

「玲一が祓う事はできないの!」

「多少はできるが、これは陰陽師を呼ばないと無理だ」

「そんな…」

「お…お姉、ちゃん…」

ハッと愛莉を見る。

いつもよりも弱々しい声に、思わずひゅっと息をのむ。

「愛莉…?ねえ愛莉?どうしたの、答えて、愛莉!」

「藍子、落ち着け、彼女は生きてる、眠っているだけだ。今のは寝言だろう」

「これで落ち着いていられるとでも思ってるの⁉︎」

はあ、はあ、と息が上がる。

「藍子、話を聞いてくれ。愛莉は恐らくあと一週間までしか生きられない。だから、一緒に呪いをかけたやつを見つけ出そう。俺も一緒に探し出すから」

「………ない」

「え?」

「許さない。愛莉を、こんな目に合わせるなんて」

私は玲一を指でビシッと指した。

「今の言葉、本当ね?」

「ああ、約束する」

「…ただの口約束ではないから」

「俺も手伝う!」

玲斗が声を上げた。

「玲斗、気持ちは嬉しいけど、あなたは別の事をして欲しいの」

「何?」

「得意のマジックで、愛莉を元気づけてほしい。あの子は自分を責める方向にいきがちだから。お願いできるかしら?」

「ああ、任せろ!」

玲斗がニカっと笑う。

「ありがとう、玲斗。さあ、私達は犯人探しをするわよ」

「それは分かってるが、どうやって探すつもりだ?」

「愛莉の知り合いを全て調べ上げるのよ。それで恨みを持つやつを探す。電子機器でも聞き込みでも何でもいいから、とにかく探すわ」

「分かった」

「玲一、行くわよ!」

「ああ!」

絶対に、見つけ出す。愛莉に呪いをかけて、苦しませたやつを。

見つけたら、速攻で警察に突き出して地獄を見せてあげるわ。

私は玲一と共に、病院の外へと駆け出した。