無能令嬢と祓い屋の契約結婚

二人とも目を丸くしている。

「お姉様を、妻に迎えるというの?」

「あぁ、そのための挨拶に来た、私は西園寺忠政という」

「西園寺ですって…?」

お母様が声を震わせた。

「なぜ、西園寺家が摩耶なんかを……」

「この娘が気に入った。今後、西園寺の力になってくれるはずだ」

「力ってその子にはなんの力もないのよ。そんなのよりも魔利の方がよっぽど……」

「私はそんなわがままな娘は願い下げだ」

「なっ……!」

西園寺さんの言葉に摩利が今にも怒りだしそうだ。

「話は以上だが、よろしいか?白椿家のご当主?」

「あぁ、構いません…」

「では行こうか、摩耶」

「ちょっと!私はまだ良いとは…」

私の話が終わらないまま、さっきのように指を鳴らした。

再び、私が寝かされていた部屋に戻ってきた。

「それでは末永くよろしく頼む」

西園寺さんはそう言って、私に口付けした。

「!」

なんなのこの人…!

「ところで、私の能力ってなんなんですか?」

「そうだったな。君の能力は…治癒能力だよ」

治癒…能力?

「ほら」

西園寺さんが腕を見せてきた。

さっき鬼に血をあげるために、切った傷が綺麗に治っている。

「さっきまで、俺の腕を掴んでいただろう?その時に治ったんだ」

「でも、今までそんなことは一度も…」

「それはあの鬼の呪いのせいだ。今はそれが消えたから、使えるようになったんだ」

あの呪いのせいで、力が封じられていたということだろうか?

「私は、ずっとここで生活するということですよね?」

「そうだ」

「あなたを好きでもなんでもないんですけど…」

「俺もだ。言ったろう?これは契約結婚だと」

じゃあさっきの口付けは何⁈

ずいぶん変わった人と結婚してしまったようだ。