終業式の場で、壇上の早智枝から全校生徒に向けて交認の活動休止がアナウンスされた。
式が終わった後、慧は生徒と顔を合わせる度に感謝の言葉を嵐のように浴びた。夏休み前に自由恋愛を手にした生徒たちは、例年以上に浮かれた気持ちでしばらくの間学院に別れを告げた。
夏休みが明けて、交認よりも進んだ決断をしたのは生徒会、教審だった。一郎たちは交認の完全な廃止を待たず、教審を廃止することを決めた。
「もし交認が復活したらどうすんだ? お前らだけが管理されることになるぞ」
「逆ですよ。僕たちが先生たちを管理しない意志を示すことで、逆に圧力をかけているんです」
逞しくなった、と慧は思った。ずっと優秀ではあったが、以前の一郎は周りが見えていなかった。生徒会長になったことで、一皮むけた。やはり、この年代の成長速度というのは目を見張るものがある。
「これ、良かったらどうぞ」
一郎が差し出したのは二枚の映画のチケットだった。
「父が会社のビンゴ大会で当てたのをもらったんですが、僕には彼女がいないので」
「良いのか?」
「言ったでしょ。行く相手がいないんですよ。悲しくなるので何回も言わせないでください」
交認が活動休止でも何の意味もない、と苛立ったように慧にチケットを押し付けると、一郎は少しだけ鼻の頭を搔いて早足に去っていった。
式が終わった後、慧は生徒と顔を合わせる度に感謝の言葉を嵐のように浴びた。夏休み前に自由恋愛を手にした生徒たちは、例年以上に浮かれた気持ちでしばらくの間学院に別れを告げた。
夏休みが明けて、交認よりも進んだ決断をしたのは生徒会、教審だった。一郎たちは交認の完全な廃止を待たず、教審を廃止することを決めた。
「もし交認が復活したらどうすんだ? お前らだけが管理されることになるぞ」
「逆ですよ。僕たちが先生たちを管理しない意志を示すことで、逆に圧力をかけているんです」
逞しくなった、と慧は思った。ずっと優秀ではあったが、以前の一郎は周りが見えていなかった。生徒会長になったことで、一皮むけた。やはり、この年代の成長速度というのは目を見張るものがある。
「これ、良かったらどうぞ」
一郎が差し出したのは二枚の映画のチケットだった。
「父が会社のビンゴ大会で当てたのをもらったんですが、僕には彼女がいないので」
「良いのか?」
「言ったでしょ。行く相手がいないんですよ。悲しくなるので何回も言わせないでください」
交認が活動休止でも何の意味もない、と苛立ったように慧にチケットを押し付けると、一郎は少しだけ鼻の頭を搔いて早足に去っていった。
