「なぜあなたがこんなにも交認を廃止したいのかはわかりませんが、随分と色々と理屈をこねたようで、私も特に反論する余地がない気もしたのですが。ところで永島先生、交認で否決されたカップルの五割弱が結婚に至ったということでしたが、この理由はわかっているのですか?」
「理由、ですか?」
「そうです。理由です」
早智枝は落ち着き払っている。嫌な予感がした。慧は必死で頭を回転させる。しかし、どれだけ考えても最適な答えは導き出せない。
「理由は、わかりません」
どんな反論に襲われるのか。慧は身を固くしながら早智枝の次の言葉を待ったが、意外にも早智枝は「私もわかりません」と慧と同じ答えを口にした。
でも、と早智枝は続ける。
「このデータは一つの揺るぎない事実を教えてくれる。そして、私はその事実からある仮説を立てることが可能だと考えます」
まず一つの事実、と早智枝は右手の人差し指を立てる。
「交認で否決されたカップルが一般的なデータよりも多い割合で結婚しているということ。これが事実です。そして仮説というのは──」
次の瞬間、早智枝の口元が醜く歪んだ。
「『交認で否決されたから結婚に至る割合が多い』というものです」
「理由、ですか?」
「そうです。理由です」
早智枝は落ち着き払っている。嫌な予感がした。慧は必死で頭を回転させる。しかし、どれだけ考えても最適な答えは導き出せない。
「理由は、わかりません」
どんな反論に襲われるのか。慧は身を固くしながら早智枝の次の言葉を待ったが、意外にも早智枝は「私もわかりません」と慧と同じ答えを口にした。
でも、と早智枝は続ける。
「このデータは一つの揺るぎない事実を教えてくれる。そして、私はその事実からある仮説を立てることが可能だと考えます」
まず一つの事実、と早智枝は右手の人差し指を立てる。
「交認で否決されたカップルが一般的なデータよりも多い割合で結婚しているということ。これが事実です。そして仮説というのは──」
次の瞬間、早智枝の口元が醜く歪んだ。
「『交認で否決されたから結婚に至る割合が多い』というものです」
