カエルと王子様

淀んだ泉のほとりで、
私は醜くないていた。

淀んだ泉は、私の、
醜い姿を写さない。

淀んだ泉は、私の、
醜い涙で濁らない。

曇った空気は、じめじめと、
私の声も、姿もみな、
霧の中に、包んでくれる。

醜い私は、飽くことなく、
乾くことなく、ないていると、

おや、
私の他に、ないているものがいる。

私の足元から、醜いカエルが、
ゲロゲロと、醜く鳴いていた。

毒々しい、爛れた皮膚を、
(両手で包み込み)

私は、
キスをした。

カエルは消え、
太陽が現れた。

美しい王子様は、私を優しい声で慰める。
光が私を乾かしていく。

その光は強く、
カエルをひからびさせる程に。
さよなら、私の太陽、

私、
醜いカエル。