あれから、お昼はゆいちゃんと一緒に食べていて、休み時間も一緒にいることが多くなった。
 だけど今日、私は一人でお昼を食べてる。湊くんが4時間目が終わってすぐにゆいちゃんを連れていったそうだ。委員会があるとかどうとか。
 お昼を一人で食べてると、はなちゃんが私の隣に来て座った。

「湊くんが委員会の仕事があるらしいから、一緒に食べよ!」

「嬉しい!私もちょうど一人だったんだよ。ゆいちゃんも委員会の仕事があるって湊くんと行っちゃったから。」

「湊くんと…。」

 はなちゃんの顔が急に暗くなったのがすぐに分かった。

「…うん。」

 湊くんと付き合い始めたばかりだから、不安になっているんだよね。
 そして、私は重たい空気を変えるべく、話題を無理やり変えた。

「は、はなちゃん!趣味とかあるの?」

「…あ、ごめん!何か言った?聞いてなかった。」

「はなちゃん。趣味とかあるのかなって思って。」

「趣味ならあるよ。」

「そうなんだ。」

 何とか元の空気にもどった。

「私、刺繍するのが得意なの。だから、ハンカチとか簡単なものなら自分で作っちゃってるよ。」

「へー!凄いね。私は器用じゃないから真似できないよ。」

「だったら、今度教えるよ。」

「いいの?やってみたい!」
 
 そして、いい空気のまま昼休みは終わり、私は教室へ戻った。
 やっぱり教室は騒がしいな。正直、さっきの昼休みくらいの静けさの方が私には合っていると思った。
 
「はなちゃん、心配だな…。」

 確かに覚悟の決まったような顔にはなっていたが、それでも辛そうな事には変わりなかった。
 好きな人と他の女の子が一緒にいる。そんな辛いことは他に無いと誰かが言っていた気がする。まして、先日付き合い始めたばかりだ。
 どうか、はなちゃんに幸せが訪れますように。

 ザワザワ⋯

「!?」

 この教室の騒がしさに紛れて、聞きたくなかった話題が聞こえた気がした。

「流石に気のせいだよね。」

 自分自身に気のせいだと言い聞かせても、はなちゃんの為にはならない事は分かっていたけど、言い聞かせるしかなかった。