こわそうなはなし

ヒョイッと塀に飛び乗った猫がこちらを見下ろした。

「イノシシだと思ったでしょ?」

尾を左右に揺らす。

「みんな、同じことを言うの」

再び、道路に降りると真っ直ぐ進む。
車が走ろうと、人が歩いてきても退かない。
世界が猫に道を譲っている。

見えなくなりそうな距離までいくと、猫は振り向く。

「やっぱり、イノシシかもしれない」

角からねずみが出てきた。

『猪突猛進(猫)』