特別警報イコールイコール


 私の隣を歩く日和の真っ赤な唇が目を引いた。
 大人っぽい雰囲気を醸し出している。
 
「で、何で今日デートの予定あったのに私について来ちゃったの?」

 全てを話すと、日和はほっぺを膨らませた。
 キレられているようだ。

「だって、連絡できなかったからさ」

「集合場所決めずに寝ちゃうとか、何やってるの! もー」

 小さな拳が腕を少し殴った。

「……ばかだよね。私」

「そんな泣きそうな目しない! 可愛い顔がもったいない」

 私の頬をつまみ、引っ張る。
 日和の目も、――潤んでいるのに。

「柚葉が望むなら、一緒に彼氏のこと探してもいい?」

 躊躇いが生まれる。

「でも……」

「私に迷惑かけたくない、とか思っちゃってる?」

 なんで、こんなに見透かされているんだろう。

「会いたい」

「なら、」

「でも!」

 日和の言葉を遮ってしまった。

「日和を一人に、したくない」

 私の目から涙がこぼれていく。
 私が彼氏に会えたら、日和そっちのけで駆け寄ってしまう。
 自分でわかっている分、そんなことをしたくなかった。

「私、柚葉が大好きだよ」

 日和は一度目を伏せ、大きく息を吸った。

「だから、柚葉の人生に後悔を残したくない。そうして終わりたくない」

 もう終わりなのだと訴えかけてきた日和の言葉が鋭い包丁のように思えた。
 胸に突き刺さった。