特別警報イコールイコール


 二人で歩き続けた。

 圏外。

 戻らない。
 電車は止まったまま。
 多分、彼は電車に乗れず、戻ってきてないのだろう。
 もう、諦めたよ。

 行先は未だない。
 立ち止まれば、終わることを実感してしまう。止まりたくはなかった。

 気が付けば、私たちは立体駐車場の屋上へと上っていた。
 車が一台もない、広々とした場所。
 
「見つけられなかったね」
 
 落ち込んでいることがわかる声色。

「いいの。日和が落ち込まないでよ」

 こんなに重く、暗い沈黙が二人の間に生まれたことはなかった。
 いつもと全く変わってしまった。
 
「ごめんね」

 重なった言葉は鼓膜を強く打った。

「ありがとう」

 全てを詰めた言葉。
 再び重なった。
 同じように思っていてくれますように。

 隣にいてくれている幸せ。
 今まで共に歩いてきた道のり。
 そのすべてが大切で、愛おしい。

 それでも。

 一つだけ、思ってしまう。
 こんなに幸せなのに、願ってしまう。

 最後ぐらい、会いたかったな。