「たろう。今日のメイクはなんかいつもよりおとなしいね」
昨日と同じようにみんなのメイクをして、その後ぼくのメイクもする。
普段通りしたつもりだけど、昨日はもっとワクワクしてメイクをしてた。
セーラー服着てギャルメイクなんて最高じゃんと思って張り切ってた。
今日も楽しみだけど、こころが少しだけ沈んでる。
保健室に行ってあゆくんに会えなかった。
連絡先交換してないから……もう会えない。
その事実が昨日から頭の中をぐるぐるしてる。
(昨日帰ってからもそのことばっかり考えて、たろう全然寝れなかった)
クラスメートから口々に今日のぼくは元気ないとかいつもよりテンション低い。
そう言われてる。
なるべく普通にしてるつもりだけど、昨日連絡先を交換できなかったことが棘のように刺さってる。
「そんなことないよぉ。ほら!今日も頑張って全部売ろう――。打ち上げも今日あるじゃーん」
無理矢理笑顔を作ってテンションを上げる。
今日は、昨日と違って保健室に行く用事もないので教室でみんなと開店の準備をした。
頭の中では昨日の今頃はあゆくんと出会ってたんだ。そんなことばっかり考えてる。
(たろう……本当にどうしちゃったんだろ?あゆくんと出会ってから本当になんか変だ)
校内放送もあり、文化祭2日目が始まった。
今日も滑り出しは上々で開店と同時にお客さんがどんどん来てくれる。
ぼくも今日は接客をメインにして人が足りない時に、作業するを繰り返してた。
「いらっしゃ……」
次のお客さんが来た。
教室の入り口で声をかけて…途中で止まった。
「あゆくん……」
そこにはもう会えないと思ってたあゆくんが1人で立ってた。
本当にあゆくん?そう思ったら足が自然に動いて、急いであゆくんの元に行く。
「あっ、咲太郎今日のメイクも可愛いね」
ぼくの顔を見て1番にそう言ってくれるあゆくん。
ホンモノだ。あゆくんだ。
「ありがとう。あゆくんに褒められるとなんか照れちゃう」
まただ……。
あゆくんに見つめられて褒められると胸がむず痒くなる。
「あゆくん今日はどうしたの?ゆーちゃんに会いに来たの?」
聞きながら頭の中には昨日の2人の重たい空気を思い出して、あゆくんに何かあったのかと少し気になる。
あゆくんがなんとも言えない顔をしてる。
どーゆー表情なんだろ?ぼくに言いたくないのかな?
「あっ……ごめん。なんか変なことたろう聞いちゃったかも」
あゆくんの顔を見てせっかく会えたのに気まずくなりたくない。
そう思ってすぐに聞くことをやめる。
「……なんかさ」
あゆくんが少しだけ首をかしげる。
「気づいたら、来てた」
下を向いて少しだけ耳が赤くなってるあゆくん。
もしかして……これって照れてるの?
「たろうに会いに来てくれたの?」
予想してないあゆくんからの言葉に、じわじわと足先から温かいものが上に上がってきてる。
「うん。なんから変だよね」
「全然変じゃない!」
びっくりするぐらい大きな声が出た。
周りがぼくとあゆくんを見てる。
注目されてる。
「ちょっとたろう抜けるね」
近くにいたクラスメートにそう言って、気づいたらあゆくんの手を掴んでた。
(ここじゃ、ちょっと嫌だった)
「あっ……あゆくんごめん。急にびっくりしたよね」
「大丈夫。注目されてたもんね」
なんてことないように笑ってくれるあゆくん。
あゆくんと向き合う。
「たろうね。昨日あゆくんが帰った後に、連絡先聞いてないと思って……後悔したの」
せっかくあゆくんに会えたんだ。
それもあゆくんからぼくに会いにきてくれた。
このチャンスを逃したくない。
「たろうね、もっとあゆくんと話したい。だから……連絡先、教えてください」
断られないように一気に伝える。
「うん。僕も咲太郎と、これで終わりにはしたくないかも」
あゆくんが静かにでもはっきりとそう言ってくれた。
その時、廊下のざわめきが一瞬消えた。
あゆくんの声しか聞こえなくなった。
やっぱりあゆくんに出会ってから、なんか変だ。
ぼくが少しだけ、ぼーっとしてたら、あゆくんがカバンからスマホを取り出してくれた。
慌ててぼくもポケットに入れてるスマホを取り出した。
お互いの連絡先を交換した。
画面にあゆくんの名前と連絡先が入ってる。
メッセージアプリも交換した。
この手にある小さな箱が今大事な大事な宝物になったような変な気分になった。
あゆくんもメッセージアプリを見てる。
「咲太郎のアイコン可愛いね」
ぼくのアイコンは、猫を描いたネイルの親指を載せてる。
「へへっ。ありがとう」
あゆくんに褒められたら胸が毎回とくってと鳴る。
あゆくんのアイコンは?
興味が湧いて見てみる。
「あゆくんのは?」
アイコン変えてない?初期のアイコンのままだった。
「あっ……それ……新しいのに変えようと思ってまだ変えないんだ」
これを聞いた時、あゆくんをまとう空気がすっと暗くなった気がした。
(まただ……。昨日の踏み込めない雰囲気だ……)
なんとなくこのままの雰囲気のあゆくんを返したらダメな気持ちになって慌てて口を開く。
「あゆくん。たろう沢山お話したいからいーっぱいメッセージ送るかもしれないけど、だいじょぉ――ぶぅ?」
おどけた感じて聞く。
あゆくんそのぼくの姿をみて声を出して笑ってくれた。
「うん。いいよ」
静かにそう言ってくれた。
「たろ――う――。どこいるの―― 」
踊り場まで聞こえるぐらいの大声でぼくの名前が呼ばれてる。
あっ……やばい。
「咲太郎呼ばれてる。ごめんねぼくが呼び止めたね」
あゆくんが申し訳なさそうに言う。
「違う。たろうがあゆくんと話したくて、連絡先知りたかったんだもん」
あゆくん小さくて笑ってくれて、じゃあぼく帰るね。咲太郎今日も頑張ってね。そう言って手を振りながら階段を降りて行った。
ぼくも急いで教室に戻りながらあゆくんの連絡先もらえた。あゆくんとまた話せる。
その事実が頭の中を駆け巡る。
昨日と同じようにみんなのメイクをして、その後ぼくのメイクもする。
普段通りしたつもりだけど、昨日はもっとワクワクしてメイクをしてた。
セーラー服着てギャルメイクなんて最高じゃんと思って張り切ってた。
今日も楽しみだけど、こころが少しだけ沈んでる。
保健室に行ってあゆくんに会えなかった。
連絡先交換してないから……もう会えない。
その事実が昨日から頭の中をぐるぐるしてる。
(昨日帰ってからもそのことばっかり考えて、たろう全然寝れなかった)
クラスメートから口々に今日のぼくは元気ないとかいつもよりテンション低い。
そう言われてる。
なるべく普通にしてるつもりだけど、昨日連絡先を交換できなかったことが棘のように刺さってる。
「そんなことないよぉ。ほら!今日も頑張って全部売ろう――。打ち上げも今日あるじゃーん」
無理矢理笑顔を作ってテンションを上げる。
今日は、昨日と違って保健室に行く用事もないので教室でみんなと開店の準備をした。
頭の中では昨日の今頃はあゆくんと出会ってたんだ。そんなことばっかり考えてる。
(たろう……本当にどうしちゃったんだろ?あゆくんと出会ってから本当になんか変だ)
校内放送もあり、文化祭2日目が始まった。
今日も滑り出しは上々で開店と同時にお客さんがどんどん来てくれる。
ぼくも今日は接客をメインにして人が足りない時に、作業するを繰り返してた。
「いらっしゃ……」
次のお客さんが来た。
教室の入り口で声をかけて…途中で止まった。
「あゆくん……」
そこにはもう会えないと思ってたあゆくんが1人で立ってた。
本当にあゆくん?そう思ったら足が自然に動いて、急いであゆくんの元に行く。
「あっ、咲太郎今日のメイクも可愛いね」
ぼくの顔を見て1番にそう言ってくれるあゆくん。
ホンモノだ。あゆくんだ。
「ありがとう。あゆくんに褒められるとなんか照れちゃう」
まただ……。
あゆくんに見つめられて褒められると胸がむず痒くなる。
「あゆくん今日はどうしたの?ゆーちゃんに会いに来たの?」
聞きながら頭の中には昨日の2人の重たい空気を思い出して、あゆくんに何かあったのかと少し気になる。
あゆくんがなんとも言えない顔をしてる。
どーゆー表情なんだろ?ぼくに言いたくないのかな?
「あっ……ごめん。なんか変なことたろう聞いちゃったかも」
あゆくんの顔を見てせっかく会えたのに気まずくなりたくない。
そう思ってすぐに聞くことをやめる。
「……なんかさ」
あゆくんが少しだけ首をかしげる。
「気づいたら、来てた」
下を向いて少しだけ耳が赤くなってるあゆくん。
もしかして……これって照れてるの?
「たろうに会いに来てくれたの?」
予想してないあゆくんからの言葉に、じわじわと足先から温かいものが上に上がってきてる。
「うん。なんから変だよね」
「全然変じゃない!」
びっくりするぐらい大きな声が出た。
周りがぼくとあゆくんを見てる。
注目されてる。
「ちょっとたろう抜けるね」
近くにいたクラスメートにそう言って、気づいたらあゆくんの手を掴んでた。
(ここじゃ、ちょっと嫌だった)
「あっ……あゆくんごめん。急にびっくりしたよね」
「大丈夫。注目されてたもんね」
なんてことないように笑ってくれるあゆくん。
あゆくんと向き合う。
「たろうね。昨日あゆくんが帰った後に、連絡先聞いてないと思って……後悔したの」
せっかくあゆくんに会えたんだ。
それもあゆくんからぼくに会いにきてくれた。
このチャンスを逃したくない。
「たろうね、もっとあゆくんと話したい。だから……連絡先、教えてください」
断られないように一気に伝える。
「うん。僕も咲太郎と、これで終わりにはしたくないかも」
あゆくんが静かにでもはっきりとそう言ってくれた。
その時、廊下のざわめきが一瞬消えた。
あゆくんの声しか聞こえなくなった。
やっぱりあゆくんに出会ってから、なんか変だ。
ぼくが少しだけ、ぼーっとしてたら、あゆくんがカバンからスマホを取り出してくれた。
慌ててぼくもポケットに入れてるスマホを取り出した。
お互いの連絡先を交換した。
画面にあゆくんの名前と連絡先が入ってる。
メッセージアプリも交換した。
この手にある小さな箱が今大事な大事な宝物になったような変な気分になった。
あゆくんもメッセージアプリを見てる。
「咲太郎のアイコン可愛いね」
ぼくのアイコンは、猫を描いたネイルの親指を載せてる。
「へへっ。ありがとう」
あゆくんに褒められたら胸が毎回とくってと鳴る。
あゆくんのアイコンは?
興味が湧いて見てみる。
「あゆくんのは?」
アイコン変えてない?初期のアイコンのままだった。
「あっ……それ……新しいのに変えようと思ってまだ変えないんだ」
これを聞いた時、あゆくんをまとう空気がすっと暗くなった気がした。
(まただ……。昨日の踏み込めない雰囲気だ……)
なんとなくこのままの雰囲気のあゆくんを返したらダメな気持ちになって慌てて口を開く。
「あゆくん。たろう沢山お話したいからいーっぱいメッセージ送るかもしれないけど、だいじょぉ――ぶぅ?」
おどけた感じて聞く。
あゆくんそのぼくの姿をみて声を出して笑ってくれた。
「うん。いいよ」
静かにそう言ってくれた。
「たろ――う――。どこいるの―― 」
踊り場まで聞こえるぐらいの大声でぼくの名前が呼ばれてる。
あっ……やばい。
「咲太郎呼ばれてる。ごめんねぼくが呼び止めたね」
あゆくんが申し訳なさそうに言う。
「違う。たろうがあゆくんと話したくて、連絡先知りたかったんだもん」
あゆくん小さくて笑ってくれて、じゃあぼく帰るね。咲太郎今日も頑張ってね。そう言って手を振りながら階段を降りて行った。
ぼくも急いで教室に戻りながらあゆくんの連絡先もらえた。あゆくんとまた話せる。
その事実が頭の中を駆け巡る。
