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・【08 放課後は河川敷】
・
放課後、もう罰ゲームをやる連中もいなくなったので、颯爽と橋の下へ行く。
勿論というかなんというか、真梨子も一緒だ。
本当にあれからずっと一緒になったな。
まあ友達としてはそれで悪くないのかもしれないが。
河川敷に着くと、そこには一人の女子がいた。
「あっ、芽以」
俺がポツリと声を出すと、真梨子はムッとしながらこう言った。
「あの黒髪ショートヘアでスラっとしたモデルみたいな人! もしかすると私のライバルぅっ?」
「あぁ、違う違う。イジメを知らせてくれるヤツとはまた別のヤツだよ」
「なおさら良くない! 人なんだから完全にライバルじゃん!」
「人は全員ライバルかよ……」
俺は呆れながらそう言うと、真梨子が跳ねるように芽以の元に近付き、芽以はいつものように快活に明るく笑いながらこう言った。
「一匹狼だったダロが女子連れているって本当だったんだな」
俺もちょっとずつ近付きながら、こう言う。
「一匹狼なんてダサいネーム付けるな、芽以」
芽以は手を叩きながら、
「いやでもおめでとう、オマエにも彼女がデキたんだなってっ」
と言うと、真梨子は頬を赤らめながら、小さく頷いた。
いや!
「違うわ! そこの真梨子は師匠と弟子の関係で全然そういうのじゃないからな!」
一日に何度『そういうのじゃないからな!』と言わせるんだ、全く。
というか師匠と弟子って言い出したのは、真梨子、オマエだろ。
芽以は真梨子と俺の様子を見比べながら、こう言った。
「まあ多少の見解の相違はあるよな、人間だから」
いや俺の言っていることだけ認めてくれよ。
芽以は続ける。
「久しぶりにラップバトルしようぜ、ダロ。というかまあ何だ、テストしてやるぜ、弟子」
そう言った芽以のほうを驚いた表情で見る真梨子は、
「弟子ってどういうことっ! この人、ダロさんの師匠なのっ?」
「違う、姉弟子だ、師匠は別にいて芽以は弟子の姉弟ってヤツだ」
真梨子は感心しながら頷き、
「なるほど……じゃあそれだけの関係ってヤツね、今のところはっ」
そう言われた芽以は少し不満げな表情をしながらこう言った。
「それだけ、と言われるのは心外だな、アタシとダロは心と心は常に繋がってるのさ」
いや、
「変なこと言うな、別に何にも繋がっていない、オマエはただの他人だ」
そう言うと、芽以は俺に近付き、
「つれねぇなぁ、可愛い可愛い弟弟子なのによぉ」
と甘ったるく喋りかけてきた。
それを見た真梨子は急いで俺と芽以の間に割って入り、グイッと芽以を押して、物理的に距離を離れさせた。
それをやられた芽以は、ハッと一呼吸笑ってからこう言った。
「お熱いようで、アタシの入る隙間は無いかな?」
真梨子は間髪入れずに、
「無いです!」
と叫んだ。
いや、いやいや、そもそも、
「元々熱くないから……」
また俺と真梨子を見比べた芽以はこう言った。
「まあ見解の相違ってあるからな、じゃあまあいいや、とりあえずまあラップでバトルしようぜ、ダロ」
それはまあそうだな。
だから、
「簡単に潰してやるよ、芽以」
この勝負の感じを察したのか、真梨子はヒューマンビートボックスを始めた。
それに対して芽以は、
「おっ、いいじゃん、そういうの。じゃあ心置きなくやれるな!」
芽以はポケットから取り出したマイクを構えた。俺も同じようにマイクを構えた。どこのスピーカーにも繋がっていないマイクだが、マイクとは常に魂が繋がっている。
さぁ、久々の勝負の始まりだ。
《芽以》
入れるぜ、喝を、つーか勝つぞ カスのダロぶっ潰すぜで、していろ覚悟
アタシが振るタクト、オマエはポンコツ落語 どうすればいいか分からずオンオフ錯綜
削除するぜ、ダロのいらない言葉 知らないことがたくさんあるダロに教える
アタシから学べ、勝利のやり方 怠惰な開花はすんな、ダロはアタシの配下だ
《ダロ》
勝ち方は分かってる、言葉語ってる ただ待ってるだけじゃなくて、常に高まってる
言語爆発、点を確約、鮮度増々 言葉の剣もハツラツ、初めからエンド活躍
ずっと最高潮、ハイ能動 自分から堂々、身を任すこの初期衝動
心を総動員、踏む相当韻、目指す頂上 俺は鋭い眼光で狙う鳳凰
《芽以》
おいダロ、ちょっと会わない間に 韻が明るくなったじゃん、何か咲いたし
やっぱり隣にいるこの女子のおかげ? トゲトゲしい部分が切れたトカゲ
いやいいんだ、いいんだ、韻が引火 いい感じに燃えている恋に進化?
実感はどうかな? あるかないか 今、ダロ、オマエ、暑かないか?
《ダロ》
恋とか抜かすな、適当なことを 俺は常に持っている赤道な心
小言じゃないんだ、強く言う言霊 今を動くんだまず、不動斬ることから
元から韻が引火、してる立派進化 そういうことをハッキリ言いたいんだ
真梨子は別に関係無い それよりも己の未完警戒、まずは気合い正解
・【08 放課後は河川敷】
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放課後、もう罰ゲームをやる連中もいなくなったので、颯爽と橋の下へ行く。
勿論というかなんというか、真梨子も一緒だ。
本当にあれからずっと一緒になったな。
まあ友達としてはそれで悪くないのかもしれないが。
河川敷に着くと、そこには一人の女子がいた。
「あっ、芽以」
俺がポツリと声を出すと、真梨子はムッとしながらこう言った。
「あの黒髪ショートヘアでスラっとしたモデルみたいな人! もしかすると私のライバルぅっ?」
「あぁ、違う違う。イジメを知らせてくれるヤツとはまた別のヤツだよ」
「なおさら良くない! 人なんだから完全にライバルじゃん!」
「人は全員ライバルかよ……」
俺は呆れながらそう言うと、真梨子が跳ねるように芽以の元に近付き、芽以はいつものように快活に明るく笑いながらこう言った。
「一匹狼だったダロが女子連れているって本当だったんだな」
俺もちょっとずつ近付きながら、こう言う。
「一匹狼なんてダサいネーム付けるな、芽以」
芽以は手を叩きながら、
「いやでもおめでとう、オマエにも彼女がデキたんだなってっ」
と言うと、真梨子は頬を赤らめながら、小さく頷いた。
いや!
「違うわ! そこの真梨子は師匠と弟子の関係で全然そういうのじゃないからな!」
一日に何度『そういうのじゃないからな!』と言わせるんだ、全く。
というか師匠と弟子って言い出したのは、真梨子、オマエだろ。
芽以は真梨子と俺の様子を見比べながら、こう言った。
「まあ多少の見解の相違はあるよな、人間だから」
いや俺の言っていることだけ認めてくれよ。
芽以は続ける。
「久しぶりにラップバトルしようぜ、ダロ。というかまあ何だ、テストしてやるぜ、弟子」
そう言った芽以のほうを驚いた表情で見る真梨子は、
「弟子ってどういうことっ! この人、ダロさんの師匠なのっ?」
「違う、姉弟子だ、師匠は別にいて芽以は弟子の姉弟ってヤツだ」
真梨子は感心しながら頷き、
「なるほど……じゃあそれだけの関係ってヤツね、今のところはっ」
そう言われた芽以は少し不満げな表情をしながらこう言った。
「それだけ、と言われるのは心外だな、アタシとダロは心と心は常に繋がってるのさ」
いや、
「変なこと言うな、別に何にも繋がっていない、オマエはただの他人だ」
そう言うと、芽以は俺に近付き、
「つれねぇなぁ、可愛い可愛い弟弟子なのによぉ」
と甘ったるく喋りかけてきた。
それを見た真梨子は急いで俺と芽以の間に割って入り、グイッと芽以を押して、物理的に距離を離れさせた。
それをやられた芽以は、ハッと一呼吸笑ってからこう言った。
「お熱いようで、アタシの入る隙間は無いかな?」
真梨子は間髪入れずに、
「無いです!」
と叫んだ。
いや、いやいや、そもそも、
「元々熱くないから……」
また俺と真梨子を見比べた芽以はこう言った。
「まあ見解の相違ってあるからな、じゃあまあいいや、とりあえずまあラップでバトルしようぜ、ダロ」
それはまあそうだな。
だから、
「簡単に潰してやるよ、芽以」
この勝負の感じを察したのか、真梨子はヒューマンビートボックスを始めた。
それに対して芽以は、
「おっ、いいじゃん、そういうの。じゃあ心置きなくやれるな!」
芽以はポケットから取り出したマイクを構えた。俺も同じようにマイクを構えた。どこのスピーカーにも繋がっていないマイクだが、マイクとは常に魂が繋がっている。
さぁ、久々の勝負の始まりだ。
《芽以》
入れるぜ、喝を、つーか勝つぞ カスのダロぶっ潰すぜで、していろ覚悟
アタシが振るタクト、オマエはポンコツ落語 どうすればいいか分からずオンオフ錯綜
削除するぜ、ダロのいらない言葉 知らないことがたくさんあるダロに教える
アタシから学べ、勝利のやり方 怠惰な開花はすんな、ダロはアタシの配下だ
《ダロ》
勝ち方は分かってる、言葉語ってる ただ待ってるだけじゃなくて、常に高まってる
言語爆発、点を確約、鮮度増々 言葉の剣もハツラツ、初めからエンド活躍
ずっと最高潮、ハイ能動 自分から堂々、身を任すこの初期衝動
心を総動員、踏む相当韻、目指す頂上 俺は鋭い眼光で狙う鳳凰
《芽以》
おいダロ、ちょっと会わない間に 韻が明るくなったじゃん、何か咲いたし
やっぱり隣にいるこの女子のおかげ? トゲトゲしい部分が切れたトカゲ
いやいいんだ、いいんだ、韻が引火 いい感じに燃えている恋に進化?
実感はどうかな? あるかないか 今、ダロ、オマエ、暑かないか?
《ダロ》
恋とか抜かすな、適当なことを 俺は常に持っている赤道な心
小言じゃないんだ、強く言う言霊 今を動くんだまず、不動斬ることから
元から韻が引火、してる立派進化 そういうことをハッキリ言いたいんだ
真梨子は別に関係無い それよりも己の未完警戒、まずは気合い正解



