龍棲宮の主

『もし生まれ変われたら、今度こそ最期まで貴女のおそばに』

 死の間際、彼はそう言った。
 彼のなかでは肉体が変わろうと、記憶を引き継げばそれは同一人物という認識のようだ。
 だがしかし、私はきっと——。前世の記憶を引き継いだだけの別人をお前とは思えないだろう。

 私が愛した人は一人だけ。
 この時代を生きた奥村仁という人間のみ。

 ……私ももうすぐ死ぬ。
 だから仁、もし——もし来世でまた出会えて、お前が来世の私に惹かれることがあれば。
 そのときは龍永籠目ではなく、その時代を生きる人間として見てほしい。

 その時代を生きる人間として、愛してくれ——。

 第2部 完