私はあなたの結晶

@中原ゆあ
私の名前は、中原ゆあ。東高校に通う二年生だ。東高校は私が住む県で1番頭のいい高校だ。私は訳あって偏差値を10上げこの高校に入学した。
偏差値の高い高校だからスクールカーストなどないと思っていた。だがカーストというものはどこの高校でもあるらしい。スクールカースト内では私はいわゆる一軍になる。中学の時もそうだった。毎朝一時間かけて作る顔面と明るく繕っている性格のおかげだ。陽キャのグループ内で浮かないために、意見を合わせる。嫌われないために努力をする。そこまでして一軍にいたいのかと自分でも時々考える。だけど、それが私にとっての幸せだった。
昔から他人に上に立たれることが嫌いだった。プライドが高かった。カーストでも成績でも顔面でも。自分より上の人がいたら居心地が悪かった。県で一番頭がいい高校に入学したのもそれが理由の一つでもある。なぜそんなに嫌なのか自分でもわかんない。生まれながらに私にはそんな考えが備わっていたのかもしれない。だとしたら私は可哀想な生き物だと思う。性格悪いなとも思う。
陽キャグルのいつメンメンバーは私含め、四人。とにかく明るくいろんな人から愛される朝野めぐ、儚い系女子の白山花澄(しらやまかすみ)、運動神経抜群の日野ねね、それと私。私がこの三人と仲良くしている理由を正直に言えば、一軍になるためだ。だけどきちんと友情も芽生えている。証拠にこのメンバーだとなんでも話せるし、気まずくならない。それで一軍になれて本当に運がいいと思う。
ある日の朝、少し遅れて登校してきためぐが嬉しそうな顔をしていた。私はそれをすぐに察した。嬉しそうな理由もすぐに察せた。だけど理由は知らないふりをして
「なんか嬉しそうじゃん」
と言った。そうすると私に続いてねねが
「なになになんかあったの?」
と言う。ねねの場合は心からそれを聞いているのだろう。私はめぐの顔を見ただけですぐに男だなとわかったと言うのに。こんなに察しのいい自分が大嫌いだ。
ねねの問いかけにめぐは照れながら
「実は!彼氏ができました!」
と報告した。するとずっと窓の外を見ていた花澄がこっちを向いて、微笑み
「おめでと」
と呟いた。そしてめぐは
「えー、それだけー笑?」
と言った。その声には幸せが溢れでていた。そしてねねがめぐに「相手は?」「どっちから告ったの?」と次々に質問した。それを聞きながら花澄もニコニコ楽しんでいる。恋バナが始まってしまった。大体の女子高生は恋バナが大好きだ。だけど正直言って私は恋バナが嫌いだった。どんな話でもできると言ったけれど、恋バナは例外だ。他人の恋愛になんて興味ないから。それと自分には恋愛は不可能だから。だけど楽しそうに聞く。ニコニコしながら聞く。そしてねねが
「今度、私たちとダブルデートしよーよー」
と言った。ねねには彼氏がいる。花澄にも、先輩に彼氏がいる。この中で非リアなのは私だけになった。グループ内で少し浮いてしまったなとぼんやり考える。
「ゆあは好きな人とかいないの?」
急にめぐが言ってきた。びっくりして私は言う。
「私は恋愛とか興味ないんだよね」
と笑って言う。
そう言いながら、ある人に目をむけた。
目線の先は同じクラスの中野みうだ。