「神楽さーん、ホームルーム始まるまでまだあるし、話そ!」
結愛と莉愛がやって来た。
叶羽が植物状態になる前、私を煙たがっている表情で見ていたのが錯覚かと思うほどの笑顔。
どっちが本当の、結愛と莉愛なんだろう。
答えの返ってこない疑問を心の奥に押しこめ、断っても折れなさそうなのでうなずく。
すると結愛が空いている私の前の席、莉愛が隣の席に座った。
耳に挿しかけたイヤホンをスマホが入っているのとは反対のポケットにしまうと、今度は結愛が私に動画を見せてくる。
莉愛の見せてくれた動画とは違うインフルエンサーで、共通点はまたおもしろい点がないということ。
「これもおもしろいよね、普通に〜!」
――「叶羽が植物状態になってくれて、神様に感謝なんだけど〜普通に〜!」
結愛のその言葉が、昨日聞いた彼女の言葉と重なる。
だからだろうか。
