命の祈り



「叶羽が植物状態になってくれて、神様に感謝なんだけど〜普通に〜!」

……え?

空中で、ピタリと手が止まる。

「だよね〜!叶羽と仲良くしてたあたしたち、まじバカだったし。そのせいで叶羽以外のクラスメイトたちとあんま、関われない日々だったしさ」

「うんうん!それになんで、叶羽の嫌な面見て見ぬふりしてたんだろ。人間としてどんまいって感じ?あの性格は、植物状態にならなくても絶対いつか友達いなくなってた!」

「分かる〜!!逆に、植物状態になってラッキーって感じじゃね?神様ナイスなんだけど」

……へぇ。

驚くよりも、えらく納得する。

そうなんだ……2人の本心は、それなんだ。

ねぇ叶羽。

あんたが仲良いと思ってた、結愛と莉愛の本性はこれらしいよ。

そして、あたしの本心もほとんど同じ。

結愛の言う通り、植物状態になれてよかったじゃん。

なにも知らずに人生をほとんど終了させたんだから、ある意味よかったね。

フッと笑い、イヤホンは取らずにそのまま踵を返した。