そこでふと、私は口を開く。
「あの、お見舞いは私じゃなくて荒木さんたちに行かせたほうがいいんじゃないですか?」
そんなに意識していたわけではないけれど、ここ最近口数が少ない結愛と莉愛。
叶羽のことが関係しているのは明らかだ。
だから植物状態になっているとしても、叶羽の顔を一目見たいだろう。
そう思ってこその提案だったが、仁科先生はダメだと言わんばかりに首を横に振る。
「一応、天宮のお母さんに荒木たちの名前を出して聞いてみたんだ。しかし、許可は出なかった。荒木たちと会ったことがないそうだし、それに比べたら幼なじみの神楽のほうが見舞いに来てほしいんだろ」
「……」
期待した私がバカだった。
植物状態という普通ではない状態に叶羽はなっているんだから、両親の許可が出ないとお見舞いに行けないんだろうということはなんとなく察してはいたけれど。
結果として、口数が少なくなるほど落ち込んでいる結愛と莉愛ではなく、大して叶羽を好いていない私がお見舞いに行くなんて。
ハァ、最悪だ……。
仁科先生が去った後、私は幼なじみという肩書きを壊してやりたい気持ちになった。
