命の祈り



「ちょっと、なにしてんの?」

前から険しい声が聞こえ、私は条件反射のように顔を上げた。

昇降口から次々に出てくる3年生や1年生に混ざり、結愛と莉愛がこちらを向いていた。

目が合うと、結愛は声色と同じ険しい顔、莉愛は訝しげな顔で近づいてくる。

「アンタ、叶羽が植物状態になったのに、よくのんきにスマホいじってられるね?」

莉愛にそう言われるが、別に植物状態のことを調べていたから状況的には合っていると思うんだけど……。

しかし訂正するのもめんどくさいので黙っていたら、結愛が腕を組んで言い放つ。

「つーかさ、アンタ知ってたんでしょ」

「なにを?」

「叶羽が事故に遭ったことも、植物状態になったことも。やっぱ隠してたんじゃん」

「…植物状態のことは、私も知らなかったけど」

「は?この期に及んで嘘つくの?」

結愛に信じられないという表情で見られるが、それは本当のことだ。