クラスメイトたちの泣き声が響く仲、私は叶羽の机のそばに転がっていたカメムシを思い出していた。 必死に起き上がろうと、足をバタつかせるカメムシ。 人間から見たら気持ち悪い光景だが、カメムシにしてみれば早く立ち上がらないと踏み潰されるという恐怖もあっただろう。 叶羽の机の近くを見るが、もうあのカメムシはいない。 車に跳ねられた時、叶羽も死の恐怖に抗った? でも、すでに立ち上がって飛び去って行ったのだろうカメムシのようには……ならなかったらしい。