命の祈り



「…あの。叶羽って、通り魔に刺されたんですか?それとも轢き逃げとか」

ふと警察官に聞き忘れた疑問が頭に浮かび、それを質問する。

米田先生は一瞬目を伏せた後、静かに口を開いた。

「…轢き逃げだそうよ。誤って天宮さんを轢いて、すぐ逃げた運転手の姿が近くの防犯カメラに映っていたそうなの。今、警察が行方を追っているわ」

「そうなんですか……」

じゃあ、たまたまの事故だったんだ。

それに、ニュースでしか聞いたことのない轢き逃げなんて、私とは無縁な世界だと思っていた。

でも、それをされたのが身近にいる幼なじみだと私にまで恐怖心が植えつけられる。

こうでもならないと、人は事故の恐ろしさなんて分からないのかもしれない。