そして、やっと本題に入るのか空気が少しピリッとした――かと思えば、突如として大木先生が私に黒い袋を差し出してきた。
「え?」
流されるように受け取り、大木先生を見る。
「これは……?」
「エチケット袋よ。祈里さん、今は精神状態が不安定でしょう?教室に戻ってこれを机の中にでも入れておけば、吐き気がきてトイレに行けなくてもこれに吐けるわ」
「…あー……」
その説明を聞いて、一気に冷めた。
まるで、今まで推していた推しが結婚したと知った時のような。
冷たいけれど、私は吐き気なんて少しもない。
エチケット袋なんて渡されても、どうせ使いやしないのに。
警察官が幼なじみというだけで叶羽と仲が良いと誤解していた時が脳裏をよぎり、うんざりして口がへの字に曲がりそうになった。
