「あのさ、正直に言って。叶羽になんかあったでしょ?」
廊下の片隅に連れて行かれ、莉愛に言われたのはその言葉。
嫌な予感が見事に的中。
げんなりを通り越して心が〝無〟一色に染まる。
「ねぇ、聞いてんの?早く答えて」
イラだったように語気を強める結愛に、嘘をつきたくない私は言う。
「そもそも、なんでそんなに疑うの?体調不良とか、たくさん理由はあるよね。バカじゃない」
おおむね最後の余計な一言に、さすが双子という感じで揃って眉をしかめる2人。
しかし今はそれよりも、叶羽のことを聞き出したいらしい。
「それも考えた。でもさ、叶羽の休みの理由を聞いたらあからさまに動揺されたの」
「結愛の言う通りだよ。それに、仁科じゃなくて副担の米田が授業するのもなんか変だし」
私が思うより、この2人はするどいらしい。
さすがにもう話はそらせない。
けれど、嘘はつきたくない。
