――「神楽!」
その時、聞き覚えのある私を呼ぶ声がした。
続けて複数の足音。
見ると、3人の男の人がバカみたいに突っ立っている私の元へ駆け寄って来た。
「警察の方々から、話は大体聞いた」
担任である仁科先生が青ざめてそう言う。
爽やか系イケメンの仁科先生は、若くて生徒たちとも年が近く、そのため人気がある。
しかしこんな事態になってしまっただろう、いつもの爽やかな雰囲気は引っ込んでいる。
そしてその両隣を見やると、仁科先生よりは年上だけど意外と若い学年主任に少し老けた校長がいた。
「天宮さんは病院へ運ばれたそうだけど……神楽さんは平気?」
「はい。私は、叶羽がすでに倒れてる状態の時に来ましたから」
学年主任の質問に答えると、私の言葉に分かりやすくホッとした3人。
その様子は、私にまで怪我がなくてよかった、と普通の人なら思うだろう。
しかし私は、これ以上怪我人が出たらめんどくさいからよかったと思った。
どうやら思っていた以上に私は、性格が悪いらしい。
まぁ当たり前か、あまり好きでなかったとはいえ幼なじみの危機に涙の一滴も流れないんだから。
