――♪♪♪ 聴き慣れた、ピアノの無機質なイントロが流れる。 ――叶羽からイヤホンで、『命に嫌われている』を流したから。 耳に直接流れるそのメロディに歌詞が入る直前、私は布団から出ている叶羽の両手を包みこんでいた。 少しだけひんやりしている。 しかし、歌詞がサビに近づくほどにぬくもりが戻ってきた。 一生目覚めないのに、少し握れば人間の温度が戻る。 これじゃ、本当に生きているのか死んでいるのか分からないね。