「叶羽は、生きているの?死んでいるの?」 ――『天宮さん、心臓は自力で動いているけれど一生目覚めない確率が高いのよ』 初めてお見舞いに行ったあの日。 田口さんにそう言われた時に、私が思ったのはその質問だった。 悲しみでもなんでもなく、純粋な疑問。 私は知りたい。 心臓は動いているがほとんどの確率で目覚めることのない状態を、生と死のどちらと呼ぶのか。 しかし、叶羽は答えてくれない。 ほんの少し開いている窓から入ってくる隙間風も、私の髪を揺らすだけ。