……これだ。
迷路のような病院内を歩き回ること数分、私は非常階段を見つけた。
ゴミ出しだろうか。
大きな半透明のポリ袋を山積みにした台車が、音をたてて運ばれている。
ガタガタと静かな空間に音が響く中で、私は神に感謝した。
その重そうな台車を通すためか、非常階段の鉄扉はストッパーで固定され、入ってくださいとばかりに固定されているから。
私は廊下の角で身を潜めながら、タイミングを伺う。
――今だ。
台車を引いていた清掃員が背を向けた一瞬。
その隙をついて私は、身を低くしながら鉄扉の向こうへ駆け込んだのだった。
