大学一年生の初夏、芸術大学に通う女の子と親しくなった。
彼女は「時計」というものに執着心を持っていて、時計を使った作品を作っていた。
新品の時計やアンティーク時計などを大量に集めてきて、それらをつなげ合わせたり絵具を塗りたくったりして、退廃的で独特な世界観の作品を作り上げていた。
彼女の自宅兼アトリエを訪ねたことがあるが、圧巻だった。
壁という壁、床という床に、作品の材料となる無数の時計が敷き詰められ、部屋全体から、「チ、チ、チ、チ……」という無数の金属音が、不協和音となって絶え間なく響いていた。
私は、彼女のシュールな作品を愛していたのだけれど、彼女の身に不幸な出来事が起こった。
彼女は、作品のためにあまりにも多くの時計を壊しすぎた。その結果、彼女は時間という概念そのものから、完全に嫌われてしまったのだ。
時間に嫌われてしまった彼女は、19歳の姿のまま、肉体の時間が完全に静止してしまった。
誕生日を迎えても歳を取らず、爪も髪の毛も一切伸びない。女性としての月経も来なくなった。ハサミで髪を切り落としても、翌朝に目覚めると、元通りの長さに戻ってしまっているのだという。
私はそれを聞いた時、「永遠に少女のままでいられるなんて、素敵じゃないか」と羨ましく思った。けれど、当の本人は、年を取らなくなったことを、悩み、苦しんでいた。
そして、自殺をすることにしたようなのだけれど、それすらうまくいかなかった。
カミソリで手首を深く割っても、スルスルと傷口が塞がってしまう。ビルから飛び降りて肉体を粉砕しても無駄だった。地面に激突した瞬間、彼女の肉体は19歳の「完璧な状態」へと、強制的に再生されてしまう。
彼女は、死ぬことさえ許されない、生ける監獄に閉じ込められてしまったのだ。
その後、彼女は大学を中退した。そして、自分が壊してきた時間への贖罪のつもりなのか、今は街の片隅にある時計修理屋で、静かに職人として働いている。たまにスマホの修理店でも働いているようだ。
彼女は「時計」というものに執着心を持っていて、時計を使った作品を作っていた。
新品の時計やアンティーク時計などを大量に集めてきて、それらをつなげ合わせたり絵具を塗りたくったりして、退廃的で独特な世界観の作品を作り上げていた。
彼女の自宅兼アトリエを訪ねたことがあるが、圧巻だった。
壁という壁、床という床に、作品の材料となる無数の時計が敷き詰められ、部屋全体から、「チ、チ、チ、チ……」という無数の金属音が、不協和音となって絶え間なく響いていた。
私は、彼女のシュールな作品を愛していたのだけれど、彼女の身に不幸な出来事が起こった。
彼女は、作品のためにあまりにも多くの時計を壊しすぎた。その結果、彼女は時間という概念そのものから、完全に嫌われてしまったのだ。
時間に嫌われてしまった彼女は、19歳の姿のまま、肉体の時間が完全に静止してしまった。
誕生日を迎えても歳を取らず、爪も髪の毛も一切伸びない。女性としての月経も来なくなった。ハサミで髪を切り落としても、翌朝に目覚めると、元通りの長さに戻ってしまっているのだという。
私はそれを聞いた時、「永遠に少女のままでいられるなんて、素敵じゃないか」と羨ましく思った。けれど、当の本人は、年を取らなくなったことを、悩み、苦しんでいた。
そして、自殺をすることにしたようなのだけれど、それすらうまくいかなかった。
カミソリで手首を深く割っても、スルスルと傷口が塞がってしまう。ビルから飛び降りて肉体を粉砕しても無駄だった。地面に激突した瞬間、彼女の肉体は19歳の「完璧な状態」へと、強制的に再生されてしまう。
彼女は、死ぬことさえ許されない、生ける監獄に閉じ込められてしまったのだ。
その後、彼女は大学を中退した。そして、自分が壊してきた時間への贖罪のつもりなのか、今は街の片隅にある時計修理屋で、静かに職人として働いている。たまにスマホの修理店でも働いているようだ。



