せっかく学校が休みだというのに、俺は一日中家で過ごしてしまった。
怠惰に一日を過ごしていたわけではない、マシンガントークの両親に捕まっていたのだ。
浮かれた両親が帰ってきたのは、まさかの昨晩だった。俺の腕を掴んで、外国のテーマパークがいかに面白かったのかを熱く語って、観光地で見たさまざまな建物の写真もテレビに映してひとつひとつ説明をしてきた。そのたびに、あのお土産だ、このお土産だと渡されて散々な思いをした。現地のものだろう、妙に圧のある木彫りのお面まで渡されたが、一体何に使うというのだろうか。
時刻はもう、16時を過ぎていた。あと7時間後には、学校に集合ということになっている。深夜に抜け出すのは簡単だが、それよりも忍び込んだあとのほうが心配だ。
今日の時点で十回以上は渉に連絡を入れているのだが「大丈夫」「身ひとつで来て」と、具体性のない返事ばかりで余計に不安になってきた。最後のほうは、『OK』と言うファンシーな猫のスタンプが返ってくるだけになったので、これ以上聞いても仕方がないのだろう。
台本は、本当に学校に置いてきてしまった。もうずっと手元にあったものだから、自分の分身を失ったような気もするが、そもそも俺はロメンナではない。そう思うと胸がぐっと苦しくなるような気もしたが、それも時間が解決するだろう。深夜の学校で、恐らく肝試しのようなイベントをこなしているうちに、きっと忘れてしまうはずだ。
部屋に入って来た母に「そういえば帰りの飛行機の機内食が」と続きの話をされそうになったので、やんわりと断わって部屋のドアを閉めた。申し訳ないが、これから疲れるイベントがあるのだから、体力を温存しておかなければならない。
ベッドに転がってスマホをいじる。基本無料のアプリゲームでデイリークエストを消化し、短い動画をひたすら眺めていた頃に、ぽんと通知のポップアップが現れた。渉からの連絡だろうかと思ったが、その送り主を見て思わず身体を起こしてしまった。さっと内容に目を通して、一分足らずで返事をした。財布とスマホだけを持って、家を飛び出す。
後ろから母の「夕飯はー?」という声が聞こえたので、「食べる!」と返して、俺は急いで自転車に飛び乗った。
怠惰に一日を過ごしていたわけではない、マシンガントークの両親に捕まっていたのだ。
浮かれた両親が帰ってきたのは、まさかの昨晩だった。俺の腕を掴んで、外国のテーマパークがいかに面白かったのかを熱く語って、観光地で見たさまざまな建物の写真もテレビに映してひとつひとつ説明をしてきた。そのたびに、あのお土産だ、このお土産だと渡されて散々な思いをした。現地のものだろう、妙に圧のある木彫りのお面まで渡されたが、一体何に使うというのだろうか。
時刻はもう、16時を過ぎていた。あと7時間後には、学校に集合ということになっている。深夜に抜け出すのは簡単だが、それよりも忍び込んだあとのほうが心配だ。
今日の時点で十回以上は渉に連絡を入れているのだが「大丈夫」「身ひとつで来て」と、具体性のない返事ばかりで余計に不安になってきた。最後のほうは、『OK』と言うファンシーな猫のスタンプが返ってくるだけになったので、これ以上聞いても仕方がないのだろう。
台本は、本当に学校に置いてきてしまった。もうずっと手元にあったものだから、自分の分身を失ったような気もするが、そもそも俺はロメンナではない。そう思うと胸がぐっと苦しくなるような気もしたが、それも時間が解決するだろう。深夜の学校で、恐らく肝試しのようなイベントをこなしているうちに、きっと忘れてしまうはずだ。
部屋に入って来た母に「そういえば帰りの飛行機の機内食が」と続きの話をされそうになったので、やんわりと断わって部屋のドアを閉めた。申し訳ないが、これから疲れるイベントがあるのだから、体力を温存しておかなければならない。
ベッドに転がってスマホをいじる。基本無料のアプリゲームでデイリークエストを消化し、短い動画をひたすら眺めていた頃に、ぽんと通知のポップアップが現れた。渉からの連絡だろうかと思ったが、その送り主を見て思わず身体を起こしてしまった。さっと内容に目を通して、一分足らずで返事をした。財布とスマホだけを持って、家を飛び出す。
後ろから母の「夕飯はー?」という声が聞こえたので、「食べる!」と返して、俺は急いで自転車に飛び乗った。
