渉から着信が入ったのは、夏休みに入ってすぐ。七月下旬のことだった。
俺は相変わらず台本をめくってあれこれ書き込みをしている最中だった。画面に出ている『日下部渉』の名前を見て、多少の面倒に思いながらもすぐにタップして応じてあげた。
――直人っ、夏休みどこも行かないって行ってたよな!?
何故か渉側はビデオ通話になっていて、彼の顔がアップになっていたので普通にビビった。
――ああ。別に出掛ける予定はないけど。
――じゃあじゃあ合宿しよう、直人!
あまりにも顔が近すぎて、背景すら見えないくらいだ。普通に不気味だったので、ハンズフリーを切って耳にスマホを当てた。
――使っていい家あるんだよ。んで、そこで二週間、練習しよ!
二週間の合宿。部活の合宿にも参加したことのない俺には、正直何をするのか想像もついていない。二週間というのも、かなり長い外出になるのではないか。
両親から許可が出るかが心配なところではあったが、驚くほどあっさり許可が出た。父と母は、こっそりと外国の有名テーマパークに行く予定を立てていたらしく、むしろ俺が長期外出することに大賛成だった。俺が言わずとも、仕事と誤魔化して留守にする気だったと打ち明けられたので、思わず変な笑いが漏れてしまった。「渉くんにもお土産買うから」と訳の分からない宥められ方をして、ともかく俺は合宿許可が下りたのだった。
俺は相変わらず台本をめくってあれこれ書き込みをしている最中だった。画面に出ている『日下部渉』の名前を見て、多少の面倒に思いながらもすぐにタップして応じてあげた。
――直人っ、夏休みどこも行かないって行ってたよな!?
何故か渉側はビデオ通話になっていて、彼の顔がアップになっていたので普通にビビった。
――ああ。別に出掛ける予定はないけど。
――じゃあじゃあ合宿しよう、直人!
あまりにも顔が近すぎて、背景すら見えないくらいだ。普通に不気味だったので、ハンズフリーを切って耳にスマホを当てた。
――使っていい家あるんだよ。んで、そこで二週間、練習しよ!
二週間の合宿。部活の合宿にも参加したことのない俺には、正直何をするのか想像もついていない。二週間というのも、かなり長い外出になるのではないか。
両親から許可が出るかが心配なところではあったが、驚くほどあっさり許可が出た。父と母は、こっそりと外国の有名テーマパークに行く予定を立てていたらしく、むしろ俺が長期外出することに大賛成だった。俺が言わずとも、仕事と誤魔化して留守にする気だったと打ち明けられたので、思わず変な笑いが漏れてしまった。「渉くんにもお土産買うから」と訳の分からない宥められ方をして、ともかく俺は合宿許可が下りたのだった。
