その夜、迅からメッセージが来た。
「悠、お前、今日、髪に何かついてなかったか」
俺は息を止めた。
「海藻? お前も?」
「俺も。いつ」
「風呂で。お前は」
「俺も風呂で」
少し間があった。それから迅は書いた。
「これ、施設に行ったら、解決するのかな」
「わからない。でも行くしかない」
「明後日、月曜だな」
「うん」
俺はスマホを置いた。机の上にパンフレットがあった。「世代継承記憶研究所」と書かれた、淡い青色の表紙。その表紙の下のほうに、薄い水滴が一つ落ちていた。
俺は誰も水をこぼしていないし、髪も乾いている。その水滴に指で触れた。塩辛かった。

