僕の友人にユキくんという友人がいます。
ユキくんは女の子みたいに可愛いのですが男です。よく女の子と間違えられてました。
ユキくんは運動も勉強もこなせるし、友達も沢山いて他人に好かれる子でした。(追記:余談ですがお兄さんもイケメンでモテて困っていたそうです)
そんなユキくんには他人には理解できないような悪癖とも呼べる良くない趣味がありました。
道で見つけた色々な生き物の死骸を撮影して保存するんです。
ユキくんのスマホの画像フォルダアプリの中にはロックのかかったアルバムがあり、その中にたくさんの虫、鳥、猫、犬の死骸の写真が保存されていたらしいです。
僕は一度やめた方がいいと言った事がありましたが、ユキくんは聞きませんでした。それどころか「お前が死んだら俺が写真撮ってあげる」なんて言ってきました。
ある日の事です、ユキくんが興奮した様子で僕に話しかけてきました。
死骸アルバムの中に撮った覚えのない『人』の写真が混ざっていたと言うのです。
僕は怖かったので見ませんでしたが、ユキくんは遠くから撮られていて顔は見えないけど僕たちと同じ中学の制服を来た子供が地面に倒れてる写真だと説明してくれました。
しかも場所も僕達の校区内でそう遠くないと言うので、学校の帰り現場に一緒に行くことになりました。
僕はそこに行くのは怖くて嫌だったのですが、ユキくんに弱虫と揶揄われるのも嫌でした。
放課後、ユキくんについて行く形で現場に到着した僕達でしたが、そこは狭い交差点で、車がビュンビュン通っているような危ない道でした。
僕はユキくんに「ここ?」と確認すると、「たぶんここであってると思う」と言ってユキくんはスマホの画像アプリを開きました。
僕は隣で写真をうっかり見てしまいたくなかったので慌ててユキくんの正面側に逃げるようにして離れました。
ユキくんは、難しい顔でスマホをタップしていましたが、ぽつりと「……近付いてる?」と呟きました。
指の動作を見るとどうやらズームインして確認しているようでした。
僕は早く帰りたくてソワソワしてました。
するとユキくんが不意に顔を上げました。怯えたような表情で、目を見開いて僕の事を見ています。
「危ない!!」
そう叫ぶと僕の腕を掴み近くの植え込みに倒れ込みました。
そして倒れると同時にすぐ近くでドーン!と鼓膜が破れそうな大きな音が響いたのです。
恐る恐る体を起こし、僕はゾッとしました。
僕がさっきまでいたすぐ近くの壁に車が突っ込んでいたからです。
驚いて何も言えない僕は、ユキくんに引っ張られながらその場から逃げ出しました。
その日はお互い口数少ないまま別れました。
次の日以降、僕たちはユキくんの趣味についてはお互い話題にしないで普通に過ごしました。
それからしばらくしてある日、ユキくんが交通事故で帰らぬ人となってしまい、ユキくんがあの時、写真で何を見たのか、僕はわからず終いとなってしまいました。
余談かもしれませんが、数日前ユキくんのお兄さんにスーパーでばったり会ったのですがこんな事を聞かれました。
ユキくんのスマホの画像フォルダを見ていたら、一番最後の写真が、誰かに撮られた至近距離のユキくんの眠っている姿の写真だったらしく、何か知らないか、との事です。
僕は怖かったのでまた画像を見るのを断りました。
