以前体験した少し怖い出来事についてここに書いておこうと思います。
その日私は友人と◾️◾️市のある山にある湖沼を見るためにドライブに出かけていました。
隠れた観光名所みたいな所なので山から降りたら付近には商業施設やコアな記念資料館みたいなのもあって、私たちは車から降りて付近を散策したり、ご飯を食べたりと楽しく過ごしました。
夕方になり、最後にもう一度ライトアップされた湖沼を見てから帰ろうかと話し合い、友人の運転でまた山に私たちは戻りました。
湖沼に再度到着した頃には程よく当たりも暗くなっており、綺麗な景色を見てから私たちは満足し、帰る事にしました。
行きや日中の運転は友人がしてくれていたので帰りは私が運転する事になりました。
友人とはよく遠出していて、交代で運転することもしょっちゅうだったので、その車で運転するのも慣れていました。
助手席に座った友人のナビに従いながら、私たちは「あそこ美味しかったね」「また行きたいね」などとおしゃべりに興じながら帰っていたのですが、少しして友人が「ごめん」と謝って来ました。
何かと思ったのですが、おしゃべりに夢中になり過ぎて道を行き過ぎていたのに気付くのが遅れたのです。
友人はすぐに軌道修正のためのナビをはじめてくれました。
しかし私たちはまたおしゃべりに盛り上がり過ぎてしまい、間違えてしまいまいます。
そこでいっその事と音声付きナビに切り替えることにしました。スマホを二人の真ん中に固定して、設定を音声ナビに切り替えるとすぐにナビが始まりました。
『ナビを開始します。進行方向、道なりに進んでください』
私も友人も以前、音声ナビに従い失敗した事が何回かあったため、お互いでナビをするのが恒例になっていましたが、ナビもやはり進化しているらしくスムーズ誘導をしてくれました。
『50メートル先、左方向です』
音声ナビに従いながら、私達は順調に元々の道を戻っていました。
しかし、また少しして、先ほど通らなかったはずの道を進んでいる事に私は気付きました。
「こんな道通ったっけ?」
「元々通ってた道が間違ってたから、ちょっとわからないね」
私達は少し不安になりましたが、とりあえずナビを信じて進む事にしました。
『200メートル先、ユキです』
私達は車を停め、顔を見合わせました。
「ユキ」なんて目的地、設定していません。
即座に固定していたスマホのナビを確認しますが、何故か急に反応が悪くなり、タップしてもナビを終了する事ができませんでした。
『200メートル先、ユキです』
ナビは私たちを誘導し続けます。
使ってなかった私のスマホでマップを開き確認しましたが、「ユキ」という建物はこの近辺にはありません。
またナビが音声を発しました。
『150メートル先、ユキです』
私達は固まりました。
車は依然停めたままで、一切動かしていなかったためです。いつのまにか目的地に近づいていたのです。
どういう事か分からず、ただお互いとにかく焦りながら友人のマップで、ナビを開始しました。
『100メートル先、ユキです』
『90メートル先、ユキです』
私と友人のスマホが輪唱するみたいに、音声を発しています。
「これ、もしかしてこっちに来てる?」
友人が怯えた声でそう言いました。
『90メートル先、ユキです』
『80メートル先、ユキです』
私達はナビに頼る事をやめ、ひたすらに来た道を戻りました。
私はただただ、事故らないようなるべく平常心で運転していましたが、数分間生きた心地がしませんでした。
しばらくして何度も迷ったのが嘘みたいに目的の道に出る事ができました。
二人とも汗びっちょりになって顔面が真っ白になってました。
その後は落ち着くためもう少し先にあった飲食店に入り、二人であれはなんだったのかと話しました。
しかし特に何も起きなかったので、今時変な話ではありますが、「狐に化かされたんだろう」とふざけて締め括り、お互い帰宅しました。
スマホも元に戻っていましたし、結局「ユキ」が何なのかは分からず終わりました。
今日ここにその事を書き込んだ、というか思い出したのはさっきまた妙な出来事があったからなんですけど、その妙な出来事というのが、
あれからまたしばらくして私はまたあの山付近の町に少し用事があり立ち寄ったのですが、車から降りて道を歩いて移動していた時です。
道の途中で花束やジュースがたくさん置いてある場所を通り過ぎました。
少しチラリと見て、ぎくっとしました。
花束やジュースに混ざっておそらく生前のものと思われる画像をプリントした紙が貼り付けられた色紙が置かれていました。
写真の子は、楽しそうに笑っています。二つ結びをした可愛い女の子のようですが、学ランをきていました。
色紙には「ユキ」と書いてあったのです。
偶然というのはわかっていましたが、びっくりしてつい足を止めてしまいました。
すると手にしていたスマホが急に音声を発したのです。
『こちらユキ、目的地に到着しました。おつかれさまです。』
