未来視少女と守護鬼

【4話から数日が経過】
 ●別邸・トレーニングルーム(朝・七時前)
 結衣、ランニングマシンで走っている
(服装:上下ジャージ)
 結衣(未来視をより長く使えるように、体力つけないと)
 時計を見る。
 結衣(もうすぐ朝ごはんの時間だ)
 ランニングマシンを止めて降りる。
 結衣「シャワー浴びてこよっと」
 トレーニングルームを出る。

 ●別邸・ダイニング
 朝食をテーブルに並べている彩人。
(献立:焼き鮭/ほうれん草のおひたし/味噌汁/白ごはん)
 シャワーを浴び終えた結衣がやってくる。
(服装:Tシャツ、カーディガン、ショートパンツ)
 彩人「お疲れ、朝飯出来てるぞ」
 結衣「うん、ありがとー」
 二人、席につき食べる。
 テレビではニュース番組をやっている。
 アナウンサー「○○公園では、今年も満開の桜が見頃を迎えており——」
 結衣、食事の手を止めてテレビをじっと見つめる。
 彩人、そんな結衣をじっと見つめる。

 朝食が終わり、彩人は奥のキッチンで洗い物。結衣は布巾でテーブルを拭いている。
 するとここで結衣のスマホが鳴る。
 ショートパンツのポケットからスマホを取り出す。
(着信画面:英之くん)
 電話に出る。
 結衣「おはよー英之くん。どうしたの?」
 英之「お、おはよう。その、今日の昼、家で花見やるから、良かったら一緒にどうかなって……。は、話したいこともあるし……」(緊張している感じ)
 結衣「んー……、ごめん。お父様にあまり外に出るなって言われてるから」(申し訳ない表情)
 彩人、皿を拭きながら結衣の様子を窺っている。

 英之「そ、そか……」
 結衣「話って何? 今ここで聞いてもいいやつ?」
 英之「え……あ……今はちょっと……。後でまた電話かメールするから!」(慌てた感じで)
 結衣「うん、分かった。あ、そうだ。写真送ってよ! 気分だけでも味わいたいからさ」
 英之「わ、分かった。それじゃあまた」
 結衣「うん、またねー」
 通話を切る。

 彩人「あの坊ちゃんからか?」
 結衣「うん。お花見に誘われたんだけど、行けないって断った。あーあ、こんな状況じゃなきゃ行けたのになー」
 テーブルの上に肘をつき、手に顎を乗せる。
 彩人「——なら、気分だけでも味わうか?」
 結衣「え?」
 彩人、キッチンの収納から重箱を取り出す。
 結衣、ぱぁっと目を輝かせる。

 ●別邸・キッチン
 料理ダイジェスト
 ・結衣、玉子焼きを巻くのに苦戦。
  出来上がり。形ボロボロ、少し焦げている。
 ・おにぎり、彩人と一緒に。結衣は一回り大きいやつを作る。
 ・結衣、タコさんウインナーを彩人にあーんしてもらう

 ●別邸・ダイニング
 結衣「出来たー!」
 テーブルに料理が入った重箱が並べられている。
 彩人「早速食べるか」
 結衣「あ、待って、写真撮らせて。英之くんに送るから」
 結衣、スマホで弁当の写真を撮る。


 ●金宮家(洋風の屋敷)・庭
 英之、庭に植えられた桜の写真をスマホで撮っている。
 彼の後ろには父・和弘と母。和弘はブルーシートを、母は重箱を手にしてこちらに歩いてくる。
 英之、撮った写真を見ていると、結衣からメールが。
 メールアプリを開くと、「お弁当作った!」というメッセージとともに、弁当の写真が表示される。
 英之、送られてきた写真をみて微笑む。しかし彩人の手が写っていることに気付き表情を曇らせる。
 ホーム画面に戻り、電話アプリを開こうとするが、指が止まる。悩んだ末にメール画面に戻る。

 ●別邸・ダイニング
 弁当を小皿によそって食べる結衣と彩人。
 結衣「こういうお弁当って、なんかワクワクするのなんでだろうね」
 彩人「なんでだろうなぁ」
 英之からメール。写真とメッセージ。
 写真——金宮家の庭の満開の桜
 メッセージ——「結衣、今朝言った話だけど……」
 ここまで目を通していると、新たなメッセージが。
 メッセージ——「僕、結衣が好きだ」「付き合ってほしい」

 結衣、驚いて食べ物が変なところに入りむせる。
 結衣「ゲホッ、ゲホッ」
 彩人「おい、大丈夫か?」
 結衣「だ、大丈夫……」(笑う)
 再び画面を見る。
 結衣、悩んでいる表情。

 ●金宮家・庭
 桜の下で弁当を食べる英之と父母。
 英之のスマホが鳴る(結衣からのメール)
 メッセージ——「ごめんなさい。英之くんのこと、大切な友達だと思ってる。だからそういうふうには見れなくて……」
 英之の口元だけアップ(ショックを受けていると分かる感じで)


【翌日】
 ●路上(夕方)
 人通りはない。
 下校途中の英之(制服姿)
 占い師(琴絵)「ちょっとそこのお兄さん」
 怪しい女性に呼び止められる(占い師の格好。顔は口以外見えない)
 彼女の前には布がかかった机と水晶玉。
 占い師(琴絵)「一つ占っていきませんこと?」