未来視少女と守護鬼

 ●別邸・結衣の部屋(夜/雷雨)
 窓の外、激しい雨。
 稲光が室内を一瞬だけ白く照らす。

 結衣、ベッドでうつ伏せで寝転がっている。
(着物のまま。片脚に包帯)
 結衣(——彩人のためにって思ってやったことは、彼にとっては迷惑な話で、私の独りよがりでしかなかった……)(落ち込んだ表情)
 顔を伏せる。シーツをぎゅっと握る。

 数秒後、ゆっくりと起き上がる。
 結衣(このままじゃダメ。ちゃんと話し合わないと)
 ベッドから降りる。
 脚の負傷箇所に痛みが走る。
 結衣「いたた……」
 結衣、ゆっくりとドアに向かって歩く。
 結衣「さて、彩人はまだリビングかな——」
 突如、目が光る。

[未来視]
 ドアが斬られバラバラに。
 鬼形態の彩人が現れる(肌は黒く、虚ろな表情)
 結衣「彩人……? どうしたのその姿——」
 彩人に斬られる。
[未来視終わり]

 結衣、顔を強張らせる。
 結衣「何……今の……」
 結衣(あの姿、もしかして叔母様が——? ど、どうしよう、早く元に戻さないと)
 胸に両手を当てる。呼吸は浅い。
 結衣(でも、私に出来るの……? 攻撃してくる彩人の動きを止めて、分離の術をかけるなんて芸当)
 恐怖と不安で瞳が揺れる。
 その後ぎゅっと襟元を掴み、歯を食いしばる。
 結衣「——出来るかじゃない。やらないと」
 刀を出現させ抜刀。

 ドアが斬られバラバラに。
 鬼形態の彩人が現れる(肌は黒く、虚ろな表情)
 結衣、彩人に接近。刀(峰を彩人に向けた状態)を振る。
 彩人の刀で受け止められ、弾かれる。
 結衣、後ろに飛ぶ。
 刀を構え直し、真っ直ぐ彩人を見つめる。

[回想]
 1話の母・詩織の最期の言葉
『自分の幸せを、第一に生きなさい』
[回想終わり]

 結衣「お母様、まだ間に合うかな」
 彩人が結衣を見つめるカット。
 結衣「私、彩人を人殺しにしたくない」
 結衣「私は私の幸せのために、絶対に彩人を止めて見せる——!!」