[回想:彩人過去編続き]
●葬儀会場(昼/雨)
外は重く垂れ込めた空。静かに降り続く雨。黒い傘の列。
会場の中は、線香の香りに満ちている。
祭壇には白い花が並んでいる。
その中央に健人の遺影。穏やかに笑っている。
参列者たちのすすり泣き。低く響く読経。
その中で、詩織が静かに涙を流している。
肩が小さく震えている。
その背に、そっと手を添える琴絵。
そこから少し離れた場所。
彩人、棺の前に立っている。
棺の中には眠るように横たわる健人(穏やかな表情)
▼彩人モノローグ
『伯父の死に顔は、とても安らかだった。大切な人を守れて死ねたことに満足したような、そんな顔だった』
彩人、涙は流していない。ただ静かに健人を見つめている。
▼彩人モノローグ
『それを見て思ったんだ』
彩人、拳を強く握る。
▼彩人モノローグ
『俺も、こんな最期を迎えたいって』
[回想:彩人過去編終わり]
●別邸・リビング(夜/雷雨)
窓の外は激しい雨。
雷鳴が空気を裂く。
彩人、ソファに寝転んでいる。腕で目を覆っている。
ソファの傍らには二つのクッション。
彩人「……ごめん、伯父さん。俺にはやっぱり、壊すこたしか出来ねぇみたいだ」
▼彩人モノローグ
『結衣が強くなることを、嬉しいと思う気持ちは確かにあった。でもそれよりも強く、焦りと恐怖が。それがとうとう——』
10話の彩人が結衣に詰め寄るシーン。
彩人「大人げねぇよな……ほんと」(自嘲の笑み)
彩人、何かに気付き起き上がる。
彩人(玄関から人? 結衣——いやあいつが出ていった様子はなかった)
何者(琴絵)かがリビングに近付いてくる。
彩人(じゃあ誰——)(心臓バクバク)
ガチャ、とリビングの扉が開き、振り返る。
現れたのは琴絵。
彩人、目を見開く。
琴絵「ごきげんよう彩人さん。ようやく見つけたわ。まさかこんな山奥に移り住んでたなんてね」
彩人、鬼形態に変身しながら即座にソファの横へ滑るように移動。
刀を出現させ、いつでも抜刀出来る体勢に入る。
琴絵「あらあら、そんなに警戒しないで? 今手持ちが一つもないの」(手を上げて笑う)
彩人「……素直に信じろと? 無策で乗り込んできたとはとても思えませんが」(警戒した笑み)
琴絵「フフ、ほんとにないのよ? だから——」
琴絵、手のアップ。黒い液体が溢れ出る。
琴絵「現地調達しようと思ってね!」(液体を彩人に投げる)
彩人、瞬時にソファに身を隠す。
彩人がいた場所に液体がビチャ、と叩きつけられる。
その後間髪入れずに大量の液体が投げ込まれ、辺り一面黒く染まる。
彩人「ふざけんな! 俺は人間だ! んなもん効くわけ——」(ソファに隠れたまま。焦りと怒りが混じった表情)
琴絵「あら、じゃあ隠れてないで出てきたら? ほぉら早くしないと、私が結衣さんのもとに辿り着いちゃうわよ〜」(廊下に出る)
彩人、焦った表情。立ち上がる。
ソファの上に乗り、クッション二つを手に持つ。
クッションを出入り口に向かって手前と奥に投げる。
クッションの上を移動し、最後は出入り口の上部分にぶら下がり、振り子の要領で廊下に着地(しゃがんだ状態)
●別邸・廊下
着地した直後、横から液体が飛んでくる。
かわしきれず、顔に当たる。
彩人「しま——っ」
反射的に手で拭う。付着した手と顔からじわじわと肌が黒くなっていく。
彩人「……っ、ぐ……!」(苦しそうに胸を押さえる。額から汗)
刀を抜き、自身の首を斬ろうとする。
琴絵「ストップ」
彩人、琴絵の言葉に反応するように、すんでのところで刀を止める。
琴絵「刀を置いて」
彩人、刀を置く(片膝をつき、俯いて表情は見えない状態。肌は全身が黒く染まっている)
琴絵「フフフ、良い子ね」(満足げに微笑み、彩人に近付く)
琴絵「それじゃあ彩人くん。私の代わりに、結衣さんを殺してきてちょうだい」
彩人の顔アップ、虚ろで感情のない表情。
彩人「——かしこまりました」
雷鳴。
●葬儀会場(昼/雨)
外は重く垂れ込めた空。静かに降り続く雨。黒い傘の列。
会場の中は、線香の香りに満ちている。
祭壇には白い花が並んでいる。
その中央に健人の遺影。穏やかに笑っている。
参列者たちのすすり泣き。低く響く読経。
その中で、詩織が静かに涙を流している。
肩が小さく震えている。
その背に、そっと手を添える琴絵。
そこから少し離れた場所。
彩人、棺の前に立っている。
棺の中には眠るように横たわる健人(穏やかな表情)
▼彩人モノローグ
『伯父の死に顔は、とても安らかだった。大切な人を守れて死ねたことに満足したような、そんな顔だった』
彩人、涙は流していない。ただ静かに健人を見つめている。
▼彩人モノローグ
『それを見て思ったんだ』
彩人、拳を強く握る。
▼彩人モノローグ
『俺も、こんな最期を迎えたいって』
[回想:彩人過去編終わり]
●別邸・リビング(夜/雷雨)
窓の外は激しい雨。
雷鳴が空気を裂く。
彩人、ソファに寝転んでいる。腕で目を覆っている。
ソファの傍らには二つのクッション。
彩人「……ごめん、伯父さん。俺にはやっぱり、壊すこたしか出来ねぇみたいだ」
▼彩人モノローグ
『結衣が強くなることを、嬉しいと思う気持ちは確かにあった。でもそれよりも強く、焦りと恐怖が。それがとうとう——』
10話の彩人が結衣に詰め寄るシーン。
彩人「大人げねぇよな……ほんと」(自嘲の笑み)
彩人、何かに気付き起き上がる。
彩人(玄関から人? 結衣——いやあいつが出ていった様子はなかった)
何者(琴絵)かがリビングに近付いてくる。
彩人(じゃあ誰——)(心臓バクバク)
ガチャ、とリビングの扉が開き、振り返る。
現れたのは琴絵。
彩人、目を見開く。
琴絵「ごきげんよう彩人さん。ようやく見つけたわ。まさかこんな山奥に移り住んでたなんてね」
彩人、鬼形態に変身しながら即座にソファの横へ滑るように移動。
刀を出現させ、いつでも抜刀出来る体勢に入る。
琴絵「あらあら、そんなに警戒しないで? 今手持ちが一つもないの」(手を上げて笑う)
彩人「……素直に信じろと? 無策で乗り込んできたとはとても思えませんが」(警戒した笑み)
琴絵「フフ、ほんとにないのよ? だから——」
琴絵、手のアップ。黒い液体が溢れ出る。
琴絵「現地調達しようと思ってね!」(液体を彩人に投げる)
彩人、瞬時にソファに身を隠す。
彩人がいた場所に液体がビチャ、と叩きつけられる。
その後間髪入れずに大量の液体が投げ込まれ、辺り一面黒く染まる。
彩人「ふざけんな! 俺は人間だ! んなもん効くわけ——」(ソファに隠れたまま。焦りと怒りが混じった表情)
琴絵「あら、じゃあ隠れてないで出てきたら? ほぉら早くしないと、私が結衣さんのもとに辿り着いちゃうわよ〜」(廊下に出る)
彩人、焦った表情。立ち上がる。
ソファの上に乗り、クッション二つを手に持つ。
クッションを出入り口に向かって手前と奥に投げる。
クッションの上を移動し、最後は出入り口の上部分にぶら下がり、振り子の要領で廊下に着地(しゃがんだ状態)
●別邸・廊下
着地した直後、横から液体が飛んでくる。
かわしきれず、顔に当たる。
彩人「しま——っ」
反射的に手で拭う。付着した手と顔からじわじわと肌が黒くなっていく。
彩人「……っ、ぐ……!」(苦しそうに胸を押さえる。額から汗)
刀を抜き、自身の首を斬ろうとする。
琴絵「ストップ」
彩人、琴絵の言葉に反応するように、すんでのところで刀を止める。
琴絵「刀を置いて」
彩人、刀を置く(片膝をつき、俯いて表情は見えない状態。肌は全身が黒く染まっている)
琴絵「フフフ、良い子ね」(満足げに微笑み、彩人に近付く)
琴絵「それじゃあ彩人くん。私の代わりに、結衣さんを殺してきてちょうだい」
彩人の顔アップ、虚ろで感情のない表情。
彩人「——かしこまりました」
雷鳴。



