神のいない世界に祝あれ

もう何日経っただろうか。考えたくもなければ考える気力もない。太陽がどんどん傾いていく。今日も何も残らずに終わっていく。でもそれでいい。どうせ近いうちに星になるんだ。何も残す必要はない。
「あーあ。宇宙には何があるのかな。できれば地球から離れたところがいいな。」「はいはい彼方くん。何回も言ってるじゃない。生きている方が何倍も楽しいに決まってるじゃない。」また聞かれていた。ほんとにあの人はなんでも聞こえている。今のも息を殺していたはずなのに。「そんなこと言えるのは自由があって生きる希望がある人だけですよ。俺みたいに何も自分でできなくて死ぬのも近い俺には何も刺さらないですよ。」「そんなことないわよ。たとえ自分では動くことすらもままならなくても、もうすぐ死ぬことがわかっていても、あなたに生きる希望を与えてくれることはきっとあるわよ。」また言っている。俺にはわかるんだ。生きていても無駄だし何も希望などないからだ。 「神田さん。もういいですよ。わたしはこの世界ではもうできることはありません。だから、神田さんから何を言われてもわたしの心に響くことはないんです。もう諦めてください。わたしには何をしても、何を言っても無駄なんです。」「そんなこと言われて私がはい!わかりました!なんていう訳ないでしょう。私たちにはあなたを守る義務があるんだから。人に生きるのを諦めろなんていうことはできないし言いたくないの。私のいうことがそんなに信じられないなら神様にでも祈ってみたら。」ほんとにこの人は何を言っているんだろうか。神様なんている訳ないしもしいたとしたら俺は神様をぶん殴ってもいいレベルだと思う。だから俺は神に祈るなんて絶対にしないんだ。しかしここで祈らないとか言ったらまた何かを話されるのは十分想像がつく。だからとりあえずで小さく頷いておく。今日はこれ以上誰かとは話したくないんだ。
気づいたら時間が経っていた。さっきされた神様の話が思いのほか頭から離れないんだ。けど神田さんが期待している理由ではないことはわかる。