revival june

 涼と睦美が間もなく小学校卒業になる2月だった。涼は当時近所に住んでいたお姉さん「黒崎陽向(くろさきひなた)」という女子高生のことが好きだった。その日は陽向に告白するために彼女が通っていた塾に向かった。しかし陽向はいなかった。少し探してみると建物脇の路地で制服を来た男と口論していた。涼は出るに出られなかったけど、ついに男が激昂してナイフで陽向を刺してしまった。涼は悲鳴をあげてしまった。
「このガキ!」
 涼の存在に気づいた男が向かおうとしたけど、男の足に必死にしがみついて涼の元へ行くのを防いだ。
「涼、大丈夫、今の何!?」
 涼の悲鳴に気づいたのは男だけではなく、近くで待っていた母と、告白のために慌てて帰ったために涼はグラウンドにグローブを忘れていた。それを届けに来た睦美と睦美の母親の深雪さんが来てくれた。
「キャー!!!」
「な、何してんのあんた!?」
 今度は睦美が悲鳴を上げ、涼の母親が男を威嚇する。男はその場から逃げたが、追うよりも陽向を病院に連れて行くことを優先した。深雪さんがすぐに救急車を呼んだけど、陽向は救急車の中で息を引き取った。
「なるほどね。それなら確かにあーなるのは仕方ないかな」
「そうですね。彼らからすればトラウマが蘇ったようなものです」
「つらい話をさせてしまって申し訳ない。でも、これでなんとかなると思いますので」
「お願いします」
「では、長々と失礼しました。これで以上になりますが、何かあったらまた連絡します。一応これを渡しておきますね」
 2人は4人分の名刺をもらった。
「では失礼します」
 4人が出ていってすぐ、また入れ違いのように涼と睦美の家族が来た。