カフェオレを用意して自室に行くと、真っ先にゲーム機の電源をつける。
赤とピンクのカーテンやソファでそろえた目がチカチカするけど、大好きなわたしの部屋。
今はインテリアを愛でる部屋ではなく、ゲームをして寝るだけの部屋になりつつあるけど。
聞きなれたBGMが流れてくると、わたしは無意識のうちにゲーム世界へ。
ロスカスタニエの夜は星空がとてつもなくきれいだ。
わたしはゲーム内の家で装備をそろえ、ギルドチャットを確認する。
もうみんな既に現地へ向かっていた。
「わっ! 急がなきゃ」
わたしは慌てて馬車に飛び乗る。
地図を確認していると、チャットに入る余裕さえない。
だから地図の確認の合間にチャットをチラチラ確認するだけになる。
Pyuta:お、はなちゃんきたきた。
Yoru:おっさんしかいないパーティーには来ないかもってリーダーと話してたw
Pyuta:おっさんじゃない紳士。 まあ、まだ時間に余裕あるからゆっくり来て。
Yoru:いま地図みたけど、はなちゃんどこにいる?
Yoruさんの言葉に、わたしは馬車をとめ、キーボードを打つ。
だけど、まだブラインドタッチどころか、キーボード見ながら一文字一文字打つのに一苦労。
わたしは、なんとか返事をする。
Hanachoco:ピピキーです
Yoru:おれらのいるところと真逆だよwww
Pyuta:じゃあ迎えにいくよー。そこで待ってて
Hanachoco:だいじょうぶです
Pyuta:ちょうど薬草切れてて町まで買いに行くところだから、ついでに寄るよ
Hanachoco:わかりました。ありがとうございます。
こうしてわたしは、リアルでもゲームでも方向音痴をいかんなく発揮。
今日はギルドメンバーとのんびりレベル上げのパーティー。
だから、Yoruさんも「じゃあおれ、コーヒー淹れてくるね」と離脱したり、「今仕事から帰った! はじまってないよね?」と家に帰るなりとりあえずチャットにログインしてくるメンバーなどさまざまだ。
こうして、ゆるーく始まったパーティーは、深夜一時過ぎでお開きとなった。
ゴブリンの群れに追われ、森に逃げたらドラゴンに遭遇し、全滅ギリギリでなんとか勝利し、帰りぎわに船に乗ったら海賊に襲われた。
なんともイベントてんこ盛りのパーティーとなったのだ。
Yoruさんは「リーダーがくるといつもそうw悪運だけは強いw」とからかっていた。
リーダーとはLSリーダー。Pyutaさんのことだ。
だけど、おかげでスリルと笑いたっぷりのパーティーになったから良し。
ゲームを終えて、ベッドに横なってもなかなか眠れなかった。
携帯で時刻を確認すれば午前二時。
明日がバイト休みでよかった。
それにしても、明日はなにをしようか。
特に用事はないし、ひとりで買い物でも行こうかな。
それとも、午前中からゲームにログインしようかな。
そんなふうに考えてしまうほど、わたしはゲームにはまっていた。
もともと、そこまでゲーム好きでもないのにオンラインゲームに夢中になって、自分でも驚いている。
だけど、あれは運命の出会いだった。
二カ月前、家電量販店にマウスを購入しにいった。
そのとき、テレビにゲームのデモムービーが映っていたのだ。
その映像を見てわたしは心を射抜かれた。
なぜなら、幼児のような体系のキャラクターが元気に走り回っていたのだ。
かっ、かわいいいい!
わたしはすぐに店員さんにゲーム名を聞いて、必要なものをそろえた。
それが、『ファースト・ファンタジー11』というオンラインゲームだった。
10はわたしもプレイしたことがある。
オンラインゲームをなにがなんでもやってみたい!
そんな強い思いはなかった。
だけど、あんなかわいいキャラクターがいる世界ならきっと楽しい。
嫌な人間を煮詰めたようなバイト先、彼氏との結婚を語る友人たち、とうとう母の口からも出た『真知子の結婚式は盛大がいいわよ』の言葉。
いやいや、相手いませんが?!
二十三歳の現実世界は、ひたすら重いものだった。
だからどうにか逃避先がほしかった。
逃避できるなら、どこでもよかった。
赤とピンクのカーテンやソファでそろえた目がチカチカするけど、大好きなわたしの部屋。
今はインテリアを愛でる部屋ではなく、ゲームをして寝るだけの部屋になりつつあるけど。
聞きなれたBGMが流れてくると、わたしは無意識のうちにゲーム世界へ。
ロスカスタニエの夜は星空がとてつもなくきれいだ。
わたしはゲーム内の家で装備をそろえ、ギルドチャットを確認する。
もうみんな既に現地へ向かっていた。
「わっ! 急がなきゃ」
わたしは慌てて馬車に飛び乗る。
地図を確認していると、チャットに入る余裕さえない。
だから地図の確認の合間にチャットをチラチラ確認するだけになる。
Pyuta:お、はなちゃんきたきた。
Yoru:おっさんしかいないパーティーには来ないかもってリーダーと話してたw
Pyuta:おっさんじゃない紳士。 まあ、まだ時間に余裕あるからゆっくり来て。
Yoru:いま地図みたけど、はなちゃんどこにいる?
Yoruさんの言葉に、わたしは馬車をとめ、キーボードを打つ。
だけど、まだブラインドタッチどころか、キーボード見ながら一文字一文字打つのに一苦労。
わたしは、なんとか返事をする。
Hanachoco:ピピキーです
Yoru:おれらのいるところと真逆だよwww
Pyuta:じゃあ迎えにいくよー。そこで待ってて
Hanachoco:だいじょうぶです
Pyuta:ちょうど薬草切れてて町まで買いに行くところだから、ついでに寄るよ
Hanachoco:わかりました。ありがとうございます。
こうしてわたしは、リアルでもゲームでも方向音痴をいかんなく発揮。
今日はギルドメンバーとのんびりレベル上げのパーティー。
だから、Yoruさんも「じゃあおれ、コーヒー淹れてくるね」と離脱したり、「今仕事から帰った! はじまってないよね?」と家に帰るなりとりあえずチャットにログインしてくるメンバーなどさまざまだ。
こうして、ゆるーく始まったパーティーは、深夜一時過ぎでお開きとなった。
ゴブリンの群れに追われ、森に逃げたらドラゴンに遭遇し、全滅ギリギリでなんとか勝利し、帰りぎわに船に乗ったら海賊に襲われた。
なんともイベントてんこ盛りのパーティーとなったのだ。
Yoruさんは「リーダーがくるといつもそうw悪運だけは強いw」とからかっていた。
リーダーとはLSリーダー。Pyutaさんのことだ。
だけど、おかげでスリルと笑いたっぷりのパーティーになったから良し。
ゲームを終えて、ベッドに横なってもなかなか眠れなかった。
携帯で時刻を確認すれば午前二時。
明日がバイト休みでよかった。
それにしても、明日はなにをしようか。
特に用事はないし、ひとりで買い物でも行こうかな。
それとも、午前中からゲームにログインしようかな。
そんなふうに考えてしまうほど、わたしはゲームにはまっていた。
もともと、そこまでゲーム好きでもないのにオンラインゲームに夢中になって、自分でも驚いている。
だけど、あれは運命の出会いだった。
二カ月前、家電量販店にマウスを購入しにいった。
そのとき、テレビにゲームのデモムービーが映っていたのだ。
その映像を見てわたしは心を射抜かれた。
なぜなら、幼児のような体系のキャラクターが元気に走り回っていたのだ。
かっ、かわいいいい!
わたしはすぐに店員さんにゲーム名を聞いて、必要なものをそろえた。
それが、『ファースト・ファンタジー11』というオンラインゲームだった。
10はわたしもプレイしたことがある。
オンラインゲームをなにがなんでもやってみたい!
そんな強い思いはなかった。
だけど、あんなかわいいキャラクターがいる世界ならきっと楽しい。
嫌な人間を煮詰めたようなバイト先、彼氏との結婚を語る友人たち、とうとう母の口からも出た『真知子の結婚式は盛大がいいわよ』の言葉。
いやいや、相手いませんが?!
二十三歳の現実世界は、ひたすら重いものだった。
だからどうにか逃避先がほしかった。
逃避できるなら、どこでもよかった。



