Bメロみたいな恋だった

高校最後の大会、ウィンターカップの前日。みずきが試合だということは知っていた。前の晩、そんなやりとりをしていたからだ。

「明日試合なんだよね?」
俺がそう送ると、みずきからは、

「そう試合なのです!」

と、うさぎのスタンプと一緒に返信が来た。

「悔いが残らぬように」

俺は少し茶化すようにみずきにそう送った。

「なんで君はいつもそうなのよ笑」

どうやら見透かされてしまったらしい。正直俺はわからない。こういう時にどういう言葉が正解なのか。頑張れはなんか違うし、だってもう十分頑張っているだろうし、俺みたいなのが何様だよって。

そんなことを思いながらスマホに文字を打つ。

「なんていうか、プレッシャーかけちゃだめかなって。応援はしているんだけども」

そう送るとみずきからは

「頑張れでいいんだよ笑だって私明日頑張らないといけないんだから、確かに応援されていると思うと気負いするかもだけど、でも、明日私は頑張るの。だから、そんな日には頑張れって言って欲しいな」

と送られてきた。

この人は本当に自分の持っていない考え方をするな。みずきのメッセージを自分の中に落としながら、送る。

「頑張れ!」

みずきからはうさぎのスタンプとメッセージが返ってきた。

「うん、頑張る」

そのやりとりを、今でもよく覚えている。
たぶん、次の日の俺が、あまりにもひどかったからだ。