星屑みたいな恋だった。

放課後。

毎週金曜日は部活がないため、教室からそのまま昇降口へ向かい、靴箱の前で千尋と紬を待つ。

「お待たせー」

「お待たせ!」

「帰ろー」

二人と合流したところで外に出る。

「やっと一週間終わったねー」

陽菜が両手を上げて伸びをした。

「明日はゆっくり寝ようかな」

紬がそう言うと、

「え、試合見に行くんじゃないの?」

陽菜が笑いながら聞く。

「あっ、そうだった!」

紬が照れくさそうに笑った。

「危うく寝坊するところだった」

「目覚ましかけなよ」

真帆がそう助言する。

校舎の方を振り返ると、グラウンドが見えた。

野球部はまだ練習を続けている。

白球が夕日に照らされながら何度も弧を描いていた。

「明日決勝だから、最後の調整かな」

千尋が呟いた。

「そうだね」 

私も足を止め、その光景を眺める。

選手たちはいつもと変わらない様子で声を掛け合い、時折り笑顔も見せている。

でも、その一つ一つの動きからは、明日の試合に向けて少しでもいい準備をしようという気持ちが伝わってくるようだった。

その中には、もちろん藤原くんの姿もある。

「花奈?」

紬に呼ばれ、私は我に返った。

「また見入ってるよ?」

「え、あ…」

「最近ほんと野球部気になるんだね」

陽菜がからかうように笑う。

千尋たちと別れ、駅まで歩く道でも、話題は自然と明日の試合になった。

「明日の決勝が終わったら、次はいよいよ東海大会だね」

私と真帆が「うん」と頷く。

春の夕暮れの風はまだ少し冷たかったけれど、不思議と足取りは軽かった。

明日が待ち遠しい。