星屑みたいな恋だった。

「帰ろっか」

陽菜の一言で、私たちは再び歩き出した。

昇降口で靴を履き替え、校門を出る。

「今日も疲れたー!」

陽菜が大きく伸びをする。

「でも明日は木曜日だし、あと二日頑張れば土曜日だね」

「ほんとだ」

真帆が言う。

「今週もあっという間だったなあ」

帰り道が違う紬や千尋とは途中で別れ、私たち三人は駅までの道を歩きながら、そんな話をしていた。

ホームへ着くと、ちょうど電車が滑り込んでくる。

「間に合ったね」

「一本待たなくて済んだ」

私たちは安堵しながら電車に乗り込んだ。

窓の外では、少しずつ学校が遠ざかっていく。

さっきまで見えていたグラウンドも、もう建物の陰に隠れてしまった。

それなのに、頭の中には夕日に照らされた野球部の姿が残っている。

特に、誰よりも大きな声を出していた藤原くんの姿が。

「…じゃん!ね、花奈もそう思うよね?」

陽菜からの問いかけでハッとした。

「えっ、あ、ごめん。聞いてなかった」

「もー、聞いててよー」

「ごめんごめん」

「今体育でバレーやってるじゃん?

それが楽しいよねーって話」

「楽しくないよ。全然うまくできないし」

真帆が少し嫌そうな顔をしながら言った。

「えー」

陽菜は残念そうだ。

「うまくできないとあんまり楽しくないよね。

私もバレーはまだいいけど、水泳とか嫌だもん」

私は答えた。

「うーん。そっかー。でも確かに水泳はちょっと嫌かも」

陽菜が納得したように頷く。

私は「でしょー」と笑いながら返し、そっと窓の外へ視線を向けた。

流れていく景色を眺めながら思う。

次の試合も勝てるかな。

気づけば、そんなことを考えていた。