線香花火みたいな恋だった。

「悠真、今年の夏祭りさ、一緒に行かない?」
放課後の教室で、陽菜が何気ない調子で言う。

「いいけど」
いつも通り、軽く答える。
「やった」
少しだけ嬉しそうに笑うその顔を見て、なぜかほんの少しだけ胸がざわついた。

「どうしたの」
「いや、別に」
「変なの」
そう言って笑う。

その笑顔は、いつもと同じはずなのに、
なぜか少しだけ違って見えた。

「最後かもしれないし」

ぽつりと、陽菜がそう付け加えた。
その一言の意味を、まだちゃんと理解していなかった。
違う、理解したくなかったのかもしれない。