君が強くなれますように。

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___私の人生は常に引き算だ。
 
窓の外では、満開を過ぎた桜が風に舞っている。
高校二年生。16歳の春。
主治医から告げられた「あと一年」と言う言葉は驚くほどすんなり私の胸に落ちた。
「そうですか、やっぱり…」
淡々とした私の声に、先生の方が困った顔をしていた。
親は隣で泣いているのに、まるで窓から見ているようなそんな諦めるに近い感覚。
幼い頃からわかっていた、いや、わかりざる負えなかったのかもしれない。
私の心臓は不器用なリズムしか刻めなかった。
激しい運動は禁止。
階段を登るだけで指先が冷たくなる。
何度も繰り返した入退院が私の人生そのものだったのかもしれない。
だから、決めていた。
これ以上荷物を増やさないこと。
友達を作らず、誰とも深く関らず、ただの「クラスメイトA」として静かに消えていくこと。

さよならが苦しくなるのは、そこに「大好き」があるからだ。
だったら、最初から持たなければいい。